なでしこ期待の長身GK山根 W杯の悔しさ胸に正守護神の座へ意気込む
1次リーグ初戦のみの出場に終わる
女子ワールドカップカナダ大会で準優勝を果たしたなでしこジャパンは、7日に帰国した。1次リーグのスイス戦でゴールマウスを守ったGK山根恵里奈(ジェフ千葉)が、およそ1カ月間に及ぶ激闘を振り返った。
今大会を前に、なでしこジャパンを率いる佐々木則夫監督はGK3人のローテーション起用を示唆。海堀あゆみ(INAC)、福元美穂(岡山湯郷)と共にメンバー入りを果たした大会最長身の大型GKは、なでしこジャパンの大会初戦でゴールマウスを守った。好セーブを披露して定位置奪取へアピールしたが、その後は出番がなく1試合の出場に終わった。山根は、その悔しさをにじませた。
「W杯に出場して一つ自信になりました。ただ、そのあとのチャンスをつかみきれなかった。自分の力不足です。ケガが原因だとはこれっぽっちも思っていないです。自分の力不足で出られなかった。そこに食らいつくのに考えて、チャレンジしていきます」
決勝トーナメント1回戦のオランダ戦後に右肩を脱臼していた。もう大丈夫かと問われた山根は、「はい」と一言。しかし、「自分のプレーをしっかりすることでチームの力になるしかない。自分がしっかりゴールを守って1試合、1試合勝利に導く気持ちでした。期待をしてくださった分、1試合だけの出場は申し訳ない。みなさんの声援が力になりました。感謝していますとお伝えしたいです」と、出場機会が少なかったことに反省しきりだった。
決勝のアメリカ戦、選手入場の際には初戦のスイス戦で左足腓骨(ひこつ)外果骨折の重症を負って途中離脱となり、決勝前日にバンクーバーで再合流を果たしたFW安藤梢(フランクフルト)を背負ってベンチへと向かった。山根は「サイズ感的に自分の役目かなと思って」と笑った。ウオーミングアップから選手入場までは慌ただしいスケジュールになるため、「走ってベンチに行くことが多いんですけど、あんちさんは間に合わないので、自分がおんぶしていくんで言ってくださいと声を掛けておきました」と、経緯を説明。「大事にいかないと落としたら大変。そこは慎重に」と、笑顔で先輩FWへの気遣いを語った。
身長187センチというその恵まれた体格は世界的にも見ても貴重な存在だ。海外クラブからの注目も予想されるが、本人は「ないと思っています。(オファーが来たら)そのときに考えます」と至って冷静だった。