オバマ大統領が女子W杯優勝の代表チームをホワイトハウスに招待
大統領「あなたほど絶好調じゃないですよ」
アメリカのバラク・オバマ大統領が女子ワールドカップ決勝でなでしこジャパンを2-5で破り、優勝を果たしたアメリカ代表を電話で祝福。米国女子サッカー人気と、選手人口の増加に貢献したとたたえながら、殊勲のチームをホワイトハウスに招待した。
「大統領、ご機嫌いかがですか?」
選手たちが勢ぞろいする中、ジル・エリス監督がうれしそうに電話のスピーカー越しに話しかけると、大統領は「あなたほど絶好調じゃないですよ」と軽妙に応じた。
前半16分間で一気に4点を奪う展開に大統領は「少しばかりスリルを奪ってしまったね」と語り、ハットトリックを決めたMFカリル・ロイドには「普段何を食べているんだ? 君のようなプレーをしたいんだが」と話しかけるなど、ジョークを交えながら4大会ぶり3度目の優勝を果たした殊勲のチームをたたえた。そして、ホワイトハウスへの招待を約束すると、選手たちから歓声が上がった。
「これで君たちはたくさんの新しいファンを獲得した。もっと重要なことは、アメリカの若い世代にアメリカのサッカーが成長し続けていることを知らしめた」と大統領は選手たちに対し、アメリカで人気を誇る女子サッカー界の興隆につながったと力説していた。
サッカーに専念できるプロ選手も少ない状況だが、アメリカには170万人の女子選手がサッカー協会に登録し、260万人という圧倒的な競技人口が存在する。今回のW杯優勝でさらに競技人気が高まり、大統領も手放しで祝福。ホワイトハウスも、この動画を発信するなど、さらなる好循環が生まれている。
連覇を逃したなでしこジャパンの宮間あや主将は「女子サッカーを文化に」を使命として掲げている。なでしこの美しくも誇り高いプレーは世界で称賛を浴びたが、副業で生計を立てながらサッカーを続ける選手も少なくない。日本サッカー協会は、女子へのサポートを約束したが、女子サッカー界を支える環境面ではアメリカ代表となでしこの間に、大きな差が存在する。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images