チリがオーストラリアに3-1完勝 先制点のサンチェスは「攻撃の手は緩めない」
そして、グループBは、スペインがオランダに1-5で大敗する波乱の幕開けを迎えた。その裏で、同組のチリは自慢の攻撃サッカーでオーストラリアを3-1で破り、順当な勝利を収めた。
オーストラリアは、予選を戦ったオジェック監督を更迭し、本大会はアンジェ・ボスタコグル監督にチームを委ねた。その指揮官は、オーストラリアAリーグのブリスベン・ロアや、メルボルン・ビクトリーを率い、それまでのフィジカル重視のオーストラリアサッカーに一石を投じた知将として知られる。その哲学は最終ラインからの丁寧なビルドアップを信条としているが、チリの好戦的なプレッシングにその機能を果たせなかった。
対するホルヘ・サンパオリ監督が率いるチリは、南アフリカW杯で指揮を執ったビエルサの戦術を継承。前線からのプレッシングをベースに、攻撃的なサッカーを展開する。
そのチリのアタッキングサッカーが、いきなりオーストラリアに牙を剥いた。開始12分に、アレクシス・サンチェス(バルセロナ)が先制点を挙げる。右サイドへと展開し、クロスをエドゥアルド・バルガス(バレンシア)が落とすと、そこにサンチェスが詰めてゴールネットを揺らした。その2分後にはホルヘ・バルディア(パルメイラス)が追加点を決めて早々に2点差をつける。
オーストラリアは、起点をサイドへと移し、そこから好機を見出していく。同35分、右サイドからのクロスをケーヒル(NYレッドブル)が頭で合わせ、1点差へと迫った。
後半に入ると、サイドからの攻撃でオーストラリアがゴールへと迫った。後半8分に再びケーヒルがネットを揺らしたかに見えたが、オフサイドの判定。さらに11分にはブレシアーノがクロスに合わせたが、ネットを揺らすことができず。
チリは終了間際、こぼれ球を拾ったジャン・ボーセジュール(ウィガン)が左足を振り抜き、決定的な3点目を奪った。終わってみれば、チリがポゼッション率62%を誇り、オーストラリアを圧倒して3-1で退けた。
試合直後、先制点を奪ったサンチェスは、「攻撃の手を緩めることはない。この勝利を家族、チリの人々に捧げたい。世界に、攻撃的なサッカーをやっていることを幸せだということを見せたい」と胸を張った。そのチリは、日本時間の19日、初戦を落としたスペインと対戦する。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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