「今回のボールはGK泣かせ」 W杯で多発する守護神の痛恨ミスを元日本代表GKが分析
無回転が生まれやすいと同時に、「しっかり曲げて落としている」ゴールも…
今大会の公式試合球「テルスター18」のブレやすい特性も影響しているという。6枚のプレートが縫い目もなく接着された設計で、無回転のシュートが生まれやすくなっている。それと同時に土肥氏は、「この公式球になって、シュートレンジは広がっていると思う」と指摘している。
「今回のボールはGK泣かせと言えます。ちゃんとシュートが当たればブレる。ただ、これまでもブレる公式球はありましたし、これまでのW杯でもシュートはブレていた。GKのミスもありましたが、今回は重要なポイントでミスが失点につながっている印象が強い。その一方で、グループリーグ第1戦のスペイン戦でクリスティアーノ・ロナウドがFKから直接決めたゴールでは、しっかりと曲げて落としている」
10年南アフリカW杯の公式試合球ジャブラニは、ボールの芯を捉えると無回転シュートが生まれた。逆にカーブをかけるようなシュートは難しかったが、今回のテルスター18はスピンをかけたスーパーゴールも生まれている。
ベスト4進出を決めたフランス代表にはGKウーゴ・ロリス(トットナム)、ベルギー代表にはGKティボー・クルトワ(チェルシー)という名手を擁し、イングランド代表には今大会で一気に評価を高めた24歳GKジョーダン・ピックフォード(エバートン)、クロアチア代表には2試合連続のPK戦で好セーブを連発したダニエル・スバシッチ(モナコ)が輝きを放っている。
優勝へ向けて守護神の活躍が不可欠となる一方、テルスター18の新たな犠牲者は生まれるのだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)
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