「日本は“泥沼離婚”の覚悟も…」 クリンスマン就任の噂に米紙記者が警鐘「リスクの高い人材」

アメリカ代表は2018年ロシアW杯の出場を逃すこととなった【写真:Getty Images】
アメリカ代表は2018年ロシアW杯の出場を逃すこととなった【写真:Getty Images】

一見、クリンスマンはチャーミングで好感を持てるが…

 アメリカ代表のチーム事情は、ロシアへ向けてさらに悪化した。7大会連続のW杯出場をブラジル大会で果たしたアメリカが、ロシアW杯の北中米カリブ海予選を突破するのは一般的に当然だと思われていた。予選落ちなんて有り得ない、と。

 しかし、悪夢は現実となってしまった。最終予選の初戦、ホームでメキシコに1-2で敗れ、その4日後にアウェーでコスタリカに0-4で大敗した。2連敗スタートを受けて、最大の理解者であったアメリカサッカー連盟会長のスニル・グラティはクリンスマンを解任した。監督が完全に孤立していると、ようやく受け入れたのだ。日本サッカー協会がバヒド・ハリルホジッチを、「コミュニケーション不足」との理由でクビにした状況と酷似しているように見える。

 クリンスマンは結果が出なければ選手を責めた。メディアとの関係も一方通行。 何かが自分の思い通りにいかなければ、誰かに罪を被せた。

 キャプテンのマイケル・ブラッドリーが、連盟内で発言権があったことも彼には気に食わなかった。クリンスマンが5年間もアメリカ代表監督を務められたのは、連盟会長であるグラティが目をつぶっていたからだ。それ以外の理由は存在しない。

 一見、クリンスマンはチャーミングで好感を持てる。ストイックなドイツ人でもあるが、カリフォルニアのビーチに豪邸を持ち、セレブなオレンジカウンティに構える自宅付近のカフェで、いつも優雅にコーヒーをすすっている。まるでマクドナルドの店員のように、スマイルは常に絶やさない。

 日本代表監督にもし就任したら、流石にクリンスマンも最初は周囲と上手く付き合おうとするだろう。片言の日本語を操りながら、カタールW杯への期待を煽るような約束を次から次へとするはずだ。ハリルホジッチのように「時間がかかる」「辛抱を」と要求するだろう。

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