ACミランのイタリア代表FWエル・シャラウィにコンバートが計画されているという。イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」が報じている。 ミランは今夏の移籍市場でコロンビア代表FWカルロス・バッカ、ブラジル代表FWルイス・アドリアーノを補強。破産宣告を受けたパルマからも攻撃的MFのホセ・マウリの獲得が間近だと報じられ、さらにはパリ・サンジェルマンのスウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチの獲得話も再燃している。昨季チーム得点王のFWメネズなどの現有戦力と合わせると、完全に前線は飽和状態にある。 ガゼッタ紙は「ミラ ン加入以降、左のウイングにポジションを取り、鋭いカットインからのシュートでゴールを量産してきたが、最近は相手チームに研究されてしまった。それからスランプに陥り、負傷を繰り返している」と、このイタリア代表を手厳しく評価している。 シニシャ・ミハイロビッチ新監督は4-3-1-2システムで戦うことを明言している。その中で、エル・シャラウィを「3」の左サイドに置く計画があるという。ガゼッタ紙は「今までのポジションより10メートル少し後ろになり、少し中央に寄るだけだが、戦術的にはあまりにも多くの違いがある」としてこのコンバート案に懐疑的な意見を示し、「これはミハイロビッチの賭けだ」とも報じている。現在、一部の選手を放出していく動きにあるとはいえ、シルビオ ・ベルルスコーニ会長の方針の一つには“ミランのイタリア化”がある。そのため、「ファラオーネ」の愛称を持つイタリア代表を手放したくはない。そこで、コンバート案が浮上したと分析している。 一方で、賭けに成功すれば「アンチェロッティ(前レアル・マドリード監督)にとってのディ・マリアになる」とも報じた。前線の人数過多には背番号「10」を背負う日本代表FW本田圭佑も巻き込まれているだけに、このコンバートが成功するかどうかはチーム内でのポジション争いや、去就に影響を与えることになるかもしれない。 【了】 サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images