- HOME
- 今日のピックアップ記事
- 今後4年間の指針が見え始めたスペイン-オランダ戦 オランダの強さの裏に隠されていた5つの「I」
今後4年間の指針が見え始めたスペイン-オランダ戦 オランダの強さの裏に隠されていた5つの「I」
オランダがゴールラッシュを見せた後半に何が起こっていたのか
後半大きく変わったデータをあげよう。まずはシュートの数だ。
オランダ11本、スペイン4本。そしてDualsを見るとオランダの35勝22敗(勝率61.4%)とそれぞれ大きく改善されている。一方、オランダのパスの数は前半160本に対して後半179本とさほど大きくは変わっていない。しかしこれらのデータを組み合わせるとオランダが後半どのような戦い方をしてきたのかが見えてくる。
それは「Efficiency of attacks」と呼ばれる攻撃の効率性を表すデータでシュート1本打つのに何本のパスを擁したか(パス数÷シュート数)というシンプルなものだ。
スペイン代表(前半):376本÷6本=62.7本 (後半):242本÷4本=60.5本
オランダ代表(前半):160本÷3本=53.3本 (後半):179本÷11本=16.3本
これにDualsのデータを加えると、オランダは前半18勝24敗で6回も多く相手に五分五分のボールを奪われていたのが、逆に後半は35勝22敗と13回多く有利な状況を作り、その有利さをよりダイレクトに攻撃に結び付くプレーにつなげていたことが浮かび上がってくる。
ピッチを三分割したイラストをみてほしい。データを元にしたこの図は前半のポゼッション率とプレーエリアを示すものだ。スペインは7割近いポゼッション率で中盤を支配し、相手陣内で決定的な仕事をしていた。自陣ゴール前での18.5%のプレーも自分たちのビルドアップが中心だ。
次のイラストは61分~75分のものだが、これを見るとオランダのゴール前でのプレー数とポゼッション率に大きな変化はないが、ミドルゾーンでのプレーが5%減少した分、そのままスペイン陣内に移っていることが分かる。オランダが中盤をある程度省略しながら相手陣内に押し込みステファン・デフライとファンペルシーと得点を重ねた時間帯だ。オランダが後半何をしてのかが見えてきたと思う。