実現した「あんちをもう1度バンクーバーに」 なでしこ安藤は仲間との絆に感謝

「また戻って来られたのはすごいこと」

 女子ワールドカップカナダ大会1次リーグ初戦スイス戦(日本時間6月9日)で左足腓骨外果骨折の重傷を負ったなでしこジャパンFW安藤梢(フランクフルト)は、日本で手術を終えて決勝アメリカ戦前日(日本時間7月5日)に、チームに感動の再合流を果たした。
 GK山根に背負われながらこの日ベンチ入りした安藤は、病床の自分自身を励ましてくれた仲間を代わりに支え続けた。だが、勝利は叶わなかった。
「結果はすごく残念ですけれど、ここまで連れてきてくれたチームに感謝しています。一度日本に帰って、またここに戻って来られたのはすごいこと。それを実現してくれた仲間は最高の仲間。勝って最後に笑顔で終わりたかったですけれど、アメリカは強かったなという印象です。自分たちがもっともっとやらなければいけないと教わったのかなと思いました」
 決戦前に選手一人一人に声を掛けたという安藤は試合後、こう語った。チームは「あんち(安藤の愛称)をもう1度バンクーバーに」という合言葉で、1点差の接戦をものにしながら決勝戦に勝ち上がってきた。安藤不在の間、ベンチに鎮座した背番号「7」のユニフォーム姿の白いクマのぬいぐるみは、なでしこの強固な絆の象徴となった。そして、赤い杖をつきながらも一人で歩けるまでに回復した安藤も決勝の舞台でついにチームに加わり、クマもFW岩渕が抱えながら“参戦”していた。

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