日本の守備を支えてきた2人が悔し涙を流した。なでしこジャパンは、5日(日本時間6日)、女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会決勝で、アメリカに2-5で敗戦。序盤から失点を重ねる展開は、試合開始から16分間で0-4という信じがたいスコアになった。 開始5分までにセットプレーで2失点を喫した。ロンドン五輪決勝でも、なでしこの金メダルへの夢を打ち砕いた、アメリカのMFロイドに再びゴールを奪われた。 しかし、それだけでは終わらなかった。 DF岩清水梓(日テレ)にとって、3失点目は悪夢のような展開だった。14分にアメリカのMFヒースが右サイドから入れ たクロスは中途半端なバウンドで中央に入ってきた。岩清水はヘディングでのクリアを決断したが、クリアボールは上に上がってしまい、岩清水自身もボールを見失った。そこを後ろから走り込んだMFホリデーに決められた。前半33分には、背番号「10」の澤との交代でベンチへ。座り込むと、顔を覆って泣き崩れた。DF近賀ゆかり(INAC)に抱えられるようにして慰められても、涙は止まらなかった。表彰式の最中も、泣きはらした目のままチームメートに囲まれるようにしていた。 GK海堀あゆみは、前半16分に頭上を襲ったMFロイドのハーフライン付近からの超ロングシュートを抑えきれず。0-4とされると、ピッチに倒れ込んだ。試合が終わると、FW大儀見優季に抱き着いて涙が止まらなかった。試合前日に「苦 しいときも、ずっと仲間が支えてくれてここまで来た」という守護神は、ラウンド16のオランダ戦で試合終了間際に痛恨のミスで失点。そこから立て直して臨んだ決勝だっただけに、悔しさも人一倍だった。 5失点の大敗となったが、守備陣の中心としてチームを2大会連続の決勝に導いたのは確かだ。それだけに、2人にとっては何とも残酷な結末が待っていた。来年には再び金メダルを目指して戦うリオデジャネイロ五輪が控える。リベンジの舞台はブラジルの地だ。 【了】 サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images