準優勝の呪縛 「アルゼンチンのメッシ」に用意されるリベンジの舞台

 

メッシに待つリベンジの舞台

 
 過去4回バロンドールを受賞しており、文字通り、世界最高の座を手にしているメッシ。そんな彼が最も切望しているものこそ、アルゼンチン代表でのタイトルだ。母国のユニホームに袖を通して10年が経つが、いまだ無冠。アルゼンチンの英雄、ディエゴ・ラドーナは南米選手権こそ優勝経験はないが、1986年ワールドカップで圧倒的な個人能力で栄冠を掴み取っている。現時点で、ッシとマラドーナとの差はここにある。
 それでもアルゼンチン代表エセキエル・ラベッシ(パリ・サンジェルマン)はメッシが将来、代表でトロフィーを掲げる姿を確信しているようだ。
 「レオは必ずアルゼンチンで栄光を勝ち取る。どこかのタイミングでね。僕らは今回がその機会だと思っていたが、成し遂げることができなかった。それでも、この道を歩んでいくべきだ。足りないものは、ほんの少しのことなのだから」
 南米選手権の公式サイトによると、ラベッシは同僚をこう励ましている。バルセロナでは今季公式戦58得点28アシストを記録。代表戦では今季10試合4得点5アシスト。年間に合計60得点以上をあげ、30以上のアシストで仲間のゴールを演出してきた。キャプテンマークを腕に巻く背番号「10」は、今年で28歳。クラブ同様、代表でもメジャータイトルを勝ち取るには、まだ遅すぎることはない。
 そして、PK戦での敗北で失意に沈むアルゼンチンにも、一筋の光明が差し込んでいる。来年、南米サッカー連盟が創立100周年を祝い、コパ・アメリカの特別大会がアメリカで開催される予定だ。
 2年連続で南米選手権が行われる異例の事態となったが、メッシの活躍を期待せずにはいられない。来年のアメリカ大会が「アルゼンチンのメッシ」に用意されたリベンジの舞台となるかもしれない。今度こそスカイブルーのユニフォームに身を包んだメッシが満面の笑顔でトロフィーを掲げる。そんなシーンを想像するサッカーファンは、少なくないかもしれない。
 

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 
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