激闘のロシアW杯で評価を高めた選手は? 日本代表全23選手「インパクト査定」
大迫のポストプレーは世界レベル、“らしさ”を見せつけた岡崎
■FW
◎ 大迫勇也(ブレーメン/W杯成績:4試合/1ゴール)
○ 岡崎慎司(レスター・シティ/W杯成績:3試合)
△ 武藤嘉紀(マインツ/W杯成績:1試合)
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各国代表の屈強なDF陣と互角以上の戦いを見せたのが大迫だ。とりわけポストプレーは特筆すべきもので、ボールを受ける瞬間に相手の体勢を瞬時に観察し、身体を巧みに当てながらボールをキープする技術は世界レベルと言って差し支えないだろう。コロンビア戦では決勝ヘディング弾を叩き込み、1対1の強さも見せつけている。パスをつなぎながら打開を図る日本の攻撃が機能したのも、前線でボールが収まる大迫がいてこそ。守備でも2列目の香川、乾、原口らと適度な距離感を保ち、状況に応じてパスコースを限定しながらプレスをかけ、ボール奪取を何度も誘発した。大迫が先発した3試合では全て得点が生まれており、その存在感の大きさが見て取れる。
岡崎の“らしさ”が発揮されたのは、セネガル戦で本田がゴールを決めた場面だ。大迫のクロスに反応して相手GKに倒されるも、すぐさま立ち上がってシュートコースに入ろうとした。こぼれ球を乾が折り返し、岡崎が合わせに行くと慌てた相手GKが再び岡崎と交錯して転倒。結果的に、岡崎の二度の転倒で本田が完全フリーとなり、同点ゴールを決めた。常にゴールを狙い続ける姿勢が生んだ“隠れたアシスト”と言えるだろう。トップ下のような位置に入り、1トップの大迫や武藤と縦関係を保ちながら、要所で2トップに移行する臨機応変さも披露。レスターでやり慣れている形とはいえ、クラブでの経験を代表チームへと還元し、攻撃の幅を広げていた。
ポーランド戦のみの出場に終わった武藤は不完全燃焼に終わっている。第2戦までのメンバーから6人が入れ替わったポーランド戦で先発するも、「メンバーが代わって、やりやすさは正直なかった」と吐露している。前線で動き回ってボールを引き出すも、前を向ける場面でパスを選択するなど判断の甘さも目に付いた。
(FOOTBALL ZONE編集部・大木 勇 / Isamu Oki)