米メディア「技術のなでしこ対パワーのアメリカ」 2-1で米勝利予想
破壊的にパワフルなアメリカの不安要素
一方、アメリカも今大会の大半を4-4-2システムで戦ってきたが、オプションも存在する。アメリカのジル・エリス監督は、ドイツ戦で4-2-3-1システムを使い、「このトー ナメントで最高のパフォーマンスを引き出した」といわれている。日本戦でも、準決勝同様のシステムを採用する可能性もある。その場合、2012年ロンドン五輪で2得点を決めたMFカリル・ロイドがトップ下に入る。
また、モーガン・ブライアンはボランチとして今大会のアメリカにとって大きな発見となっているが、彼女たちの最大の武器は強固な守備だ。
「アメリカの守備は感銘を与え続けている。アメリカは513分間、今大会でゴールを許していない。2007年にドイツの記録した540分間連続という一大会の連続無失点記録を破ろうとしている」
女子サッカー界最高の守護神ホープ・ソロに加え、鉄壁の4バックと中盤のブライアンらが構築する守備ブロックは盤石だと絶賛。そんな守備力を誇るア メリカにも頂上決戦で不安要素があるという。
「フォーメーションを超えて、1つの疑問が存在する。どれほど頻繁に自陣で日本にプレスをかけるのだろうか。ドイツには極めて効果を上げたこの戦術だが、日本はプレッシャーを打ち破ることに慣れている。準決勝同様にプレスをかける場所を注意深く選ぶ必要がある」
FIFAランク1位のドイツを崩壊させたアメリカのプレス戦術が、なでしこには通用しない可能性を示唆。また、一方でなでしこは、なでしこらしさを貫くと予想している。アメリカのパワフルなサッカーに対し、技術と支配力で立ち向かうというのだ。
「日本は試合のテンポを握るために全ての手段を尽くすだろう。アメリカからボールを持つ機会を枯渇させ、長い時間守備に回ら せることで、疲弊させようとするだろう。日本にとっては、より強く、パワフルなアメリカが明確な優位性を持つフィジカル面の対峙(たいじ)を避ける効果を持つことになる」
また、そうした展開になれば、「イングランドは17回ファウルを犯すことで効果的に日本の攻撃を無力化していた。アメリカも必要な時にファウルすることをためらわないだろう」と指摘。決勝戦では、イングランド同様に、なでしこの連動をファウルで止めるシーンが多く見られるかもしれない。