日本は「勇敢かつ美しいサッカーでファンを魅了」 英紙記者がW杯の戦いを総括
決勝点につながった日本のCKは「クレイジーとしか言いようがない」
一方、西野監督は原口と柴崎の代わりに、MF本田圭佑とMF山口蛍を投入。結果的には、これが敗着につながった。
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「アディショナルタイムの決勝点はお手本のようなカウンターだが、日本は最後のコーナーキックで一体何を考えていたのだろうか……。クレイジーとしか言いようがない。ショートコーナーで延長に持ち込むべきだった。延長でベルギーに走り負けしない体力はあったのだから」
後半アディショナルタイムの左CKの場面。本田はすぐさまボールを蹴り込んだが、簡単にGKティボー・クルトワにキャッチされてしまった。そこから高速カウンターがスタート。対応に当たった山口は数的不利とMFケビン・デ・ブライネの圧倒的なスピードから、攻撃を遅らせることもファウルで止めることもできずに、悲劇的な決勝ゴールを奪われた。
最後のコーナーキックの選択は、ノースクロフト氏の目には「クレイジー」に映ったという。この場面はキッカーの本田が香川にボールを預け、ショートコーナーにできれば、勝機は残ったはずと分析していた。
それでも、日本代表と西野監督のこれまでの戦いは、最大限の評価に値するという。
「個人的には特に西野監督の今大会の采配ぶりには驚かされた。大会前には、決して冒険心があるような監督ではないという報道をいくつか目にした。日本サッカー協会にとっていわゆる安易な選択だった、と。しかしそのようなことはなかった。日本代表はロシアで、勇敢かつ美しいサッカーでファンを魅了していた」
グループリーグ第3戦のポーランド戦(0-1)終盤の消極的なパス回しでは、「茶番」などと海外メディアから非難を浴びた西野監督。だが、強豪ベルギーを追い詰めた戦いぶりで、日本代表は評価を一気に高めたようだ。
世界のサッカーファンにも攻撃的なサッカーで素晴らしい印象を植え付けることに成功したと、ノースクロフト氏は称賛していた。
[記者PROFILE]
ジョナサン・ノースクロフト。英「サンデー・タイムズ」サッカーキャップ。1998年以降全てのW杯、ユーロ2004、08大会を取材。レスター奇跡のプレミアリーグ優勝を辿る「Fearless」を執筆。
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■フェイスブック: facebook.com/JNorthcroft
(FOOTBALL ZONE編集部)