15歳から日の丸をつける澤が迎えた最後のW杯 誰もが追い掛けたその背中

なでしこと共に

 だが、その澤も今年9月に37歳を迎える。「精神と肉体が許す限りサッカーを続けたい」と、現役生活へのこだわりは見せているが、今大会は決して不動の存在というわけではない。ここまで6試合中5試合に出場しているが、先発は初戦のスイス戦と、エクアドル戦の2試合のみ。時間にして184分間と、およそ2試合分でしかプレーしていない。
 今や世界にその名を 知られる偉大なMFも、今大会の直前まで長らく代表を離れていた。
 しかし、佐々木則夫監督は「誰よりも体を張って戦っている」と評価。今大会のメンバーには滑り込みで招集された。
 澤が初めてW杯のピッチに立ってからおよそ20年の歳月が流れた。16歳だった少女が、いまやチーム最年長の大黒柱となり、男女を通じて世界で初めて6度目のW杯出場を果たした。その背中を見て勇気付けられてきた後輩たちは成長し、今度は澤と手を取り合って、この舞台へとたどり着いた。ただし、史上2カ国目のW杯連覇を果たす時、再び日本の背番号「10」は、チームの先頭で走り続けていることだろう。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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