「お帰りなさい、あんち」 故障安藤再合流でなでしこ結束マックス

主将の宮間「安藤がいてこそ一つのチーム」

 主将のMF宮間あや(岡山湯郷)も決勝戦の前日記者会見でこう語った。
 「彼女がいてこそ一つのチームだと思っているし、いるといないでは大違い。彼女がここに戻ってきて、一緒にワールドカップを取るのが私たち目標だったので、チームにとってすごく重要な選手。ここまできて試合について何かと言うよりは、終わったときに23人全員、スタッフ全員でこのチームで戦えて良かったと思えるように。そして、カップを勝ち取れるようにしたい」
 試合前日の安藤の再合流でチームの士気は最高潮に達した。それでもアメリカの強さはわかっている。川澄は「そんなに簡単に勝てる相手ではないと思いますし、その中で自分たちが焦れずに、90分、もしかしたら120分、PK戦までいくかもしれないですけど、どんなときも諦めずに自分たちが勝てるという気持ちを持ってプレーし続けることが、優勝に近づくことじゃないかと思います」と語った。
 2011年ドイツ大会で優勝時には2度リードされながら、延長戦の死闘をくぐり抜け、PK戦の末に優勝を勝ち取った。総力戦になる可能性も高い。これまでの試合のミーティングでテレビ電話越しにチームを激励してきた安藤の存在を身近に感じることができるのは、大きなことだろう。
 これまでは安藤の背番号「7」をつけた白いクマはベンチに座っていた。選手たちは試合後のテレビインタビューでも代わる代わるクマを抱きかかえながら、画面を通じてなでしこの絆を表現してきた。
 決勝戦には安藤がベンチにいる。強固な結束を更に深めた23人のなでしこが総力戦でアメリカに立ち向かう。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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