「お帰りなさい、あんち」 故障安藤再合流でなでしこ結束マックス

合言葉は「あんちをもう1度バンクーバーに」

 なでしこジャパンMF川澄奈穂美(INAC)が5日(日本時間6日)の女子ワールドカップカナダ大会決勝アメリカ戦に向けて、左足腓骨外果骨折により日本で治療していたFW安藤梢(フランクフルト)のチーム合流を歓迎。連覇に向けたなでしこのパワーアップを明かしている。
「練習も最後で寂しさみたいなものもありますけど、明日に向けていい準備ができているなという感じです。それは今まで色々と経験してきたことが練習の雰囲気に表れていると思いますし、すごく良い意味でリラックスしてトレーニングができているんじゃないかなと思いました」
 バンクーバーのBCプレイススタジアムで行われるアメリカとの頂上決戦を控えた川澄は今大会最後の練習を終えて複雑な胸中を明らかにした。最高の雰囲気で戦い続けてきたカナダ大会の練習もこれで最後。寂寥感と決戦を前にした充実感が胸の中で混在している様子だ。
 最後の練習の締めくくりに大きな歓声が上がった。1次リーグ初戦スイス戦前半26分にPKを獲得した代償に、左足首を骨折した安藤が治療を行っていた日本から合流。選手は向かいあわせに並び、両手でトンネルを作り、赤い杖を付いていた安藤を歓迎した。
 川澄は「本当にお帰りというか、いて当たり前の選手なんですけど、少しでも離れていたのはすごく寂しかったですし、帰って来てくれて嬉しいです。安藤選手が手術しているときも23人全員で戦っていましたけど、その姿が見えることはさらに大きな力になると思いますし、また23人全員の力を結束させて決勝戦をいいものにしたいと思います」と語った。
 日本で手術を済ませた安藤不在の5試合は22人で戦い抜いた。決勝まで進めば回復した安藤が決戦の地バンクーバーに帰って来られる。それはあんち(安藤の愛称)とチームの願いだった。今大会の全6試合はいずれも1点差勝利。圧倒的な勝負強さを示し、「あんちをもう1度バンクーバーに」が合言葉だった。

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