なでしこ佐々木監督が決戦を前に語るアメリカとの美しきライバル関係

東日本大震災にアメリカが示した親愛の情

 女子サッカー界のエリートである好敵手に対しては、深い敬意と感謝の気持ちを抱いている。
世界ナンバーワンのアメリカと2011年のW杯前にも親善試合を2試合やっていただいて、力の無い我々を親善試合に呼んでいただいた。ロンドン五輪前にも日本が大変な時に来日していただいて、親善試合をしてもらった。我々が困難な時に試合をしてもらって成長させてもらった。ナンバーワンのアメリカに成長させてもらったと監督になって感じているし、感謝している。そういうチームがいつもファイナルにいるということで、我々も成長していると感じている」
 女王アメリカの胸を借りるたびに、なでしこは一歩ずつたくましくなったという。東日本大震災で日本が苦しんでいる際、アメリカ代表は2012年、仙台にやってきた。チャリティマッチを開催し、試練の時を過ごしていた日本に対する親愛の情を示している。感謝とリスペクトを決戦前に明らかにしながらも、ピッチ上では連覇のために、ただ非情な采配を貫くつもりだ。
「2011年に何とか我々が勝利をものにした中で、2012年に同じカードになった。そのときにアメリカの勝とうという思いを強く感じた。ただ、12年の方が試合内容は悪くなかったと評価しているし、3回目の明日はより自分たちの試合をして勝利するイメージをしている。アメリカと試合をすることは、他国と違うモチベーションになっているのは事実」
 余計な情を排除しなければ、勝負では命取りになる。ロンドン五輪決勝の舞台ウェンブリー・スタジアムでは試合を優勢に進めながらも、リベンジに燃えるアメリカの執念を感じた。1-2で敗れ、主将のMF宮間あやはピッチ上に崩れ落ち、号泣した。

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