イングランドが3大会ぶり8強! PK戦の“負の歴史”に終止符、コロンビアとの死闘制す

イングランドがPK戦を制して8強入りを果たした【写真:Getty Images】
イングランドがPK戦を制して8強入りを果たした【写真:Getty Images】

後半ATに追いつかれる苦しい展開も、W杯で4度目のPK戦で初勝利

 ロシア・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦、南米のコロンビアと欧州のイングランドによる対戦は1-1でPK戦に突入。PKスコア4-3でイングランドがW杯のPK戦4度目にして初勝利。2006年ドイツ大会以来3大会ぶりにベスト8に進出した。

 今大会は一貫して3バックを採用するイングランドはこの日も3-5-2システムで試合に臨み、2トップには主将FWハリー・ケインとFWラヒーム・スターリングを起用した。

 一方のコロンビアは2014年ブラジル大会得点王のMFハメス・ロドリゲスが負傷でベンチメンバーからも外れた。前線にはFWラダメル・ファルカオや1次リーグ日本戦で壁の下を通る技ありの直接FKを決めたMFフアン・キンテーロらを起用した。

 均衡した内容で、前半をスコアレスで折り返した試合が動いたのは後半9分だった。右サイドからCKの場面でコロンビア代表MFカルロス・サンチェスがマークしていたケインを倒し、主審は迷わずホイッスルを吹きペナルティースポットを指さした。日本戦で開始3分にハンドで一発退場となったサンチェスは、今大会2度目のPK献上となった。

 このチャンスをケインが成功させてイングランドが同12分に先制。ケインは今大会単独トップの6得点目を挙げた。イングランド人選手の1大会最多得点記録で1986年メキシコ大会のFWギャリー・リネカー氏に並んだ。

 PK判定に納得できない様子のコロンビアイレブンは次第にヒートアップ。失点後には主将ファルカオや途中出場したばかりのFWカルロス・バッカがイエローカードを受けるなど試合が荒れ模様となっていく。

 同36分にはコロンビアに絶好のチャンスが訪れた。ハーフウェーライン付近でボールを奪ったバッカがドリブルで一気に持ち込むと、右サイドへラストパス。パスを受けたMFフアン・クアドラードはフリーでシュートを放ったが、枠を大きく外れた。

 ドラマが待っていたのは後半アディショナルタイム3分。コロンビアは右サイドからCKを獲得。GKダビド・オスピナも攻め上がったこのチャンスでクロスに飛び込んだDFジェリー・ミナが高い打点のヘディングを決め、土壇場で試合を振り出しに戻した。

 ミナは今大会3得点目。データ会社「オプタ」によれば、ヘディングのみで1大会3得点以上を挙げたのは2002年日韓大会の元ドイツ代表FWミロスラフ・クローゼ以来となった。

 劇的な展開で試合は延長戦に突入。前半はコロンビア、後半はイングランドが攻め込むも15分ハーフでは決着がつかず。試合の行方はPK戦の結果に委ねられることになった。

 先攻のコロンビアは1人目のファルカオから3人連続成功させるも、4人目のマテウス・ウリベが失敗。イングランドも3人目のジョーダン・ヘンダーソンのキックがGKオスピナにセーブされた。3-3で迎えた勝負の5人目、コロンビアはバッカの痛恨の失敗。対するイングランドはエリック・ダイアーが成功させて、PKスコア4-3で決着となった。

 イングランドはW杯で過去3度、一度も勝てなかったPK戦で初勝利。歴史を塗り替え、3大会ぶりに8強に進出。準々決勝ではスウェーデンと対戦する。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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