12年越しの悲願へ 米女子史上最高のストライカーとW杯を巡るドラマ
手にできていないタイトル
女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会で思いの丈をぶつける、女子サッカー界のレジェンドがいる。4年前の苦い記憶を抱える彼女は、再び最高の舞台に立とうとしている。
アメリカ代表FWアビー・ワンバックは、5日(日本時間6日)の女子W杯決勝の日本戦に並々ならぬ思いを持って挑んでくるはずだ。自身4度目となるこの大舞台、2011年ドイツ大会では、なでしこジャパンの面々がトロフィーを掲げる姿を、ただ指をくわえて眺めることしかできなかった。世界屈指のプレーヤーの一人でもある彼女は今、その雪辱に燃えている。
2003年からアメリカ代表の一員としてプレーしているワンバックは、その年のアメリカ大会でW杯デビューを果たした。アメリカは準決勝でドイツに敗れたものの、ワンバックは初出場ながら3得点を決め、自国開催の大会で銅メダルを獲得した。ここから彼女のW杯を巡るストーリーが始まっていく。
2007年中国大会。自身2度目のW杯は27歳で迎えた。04年のアテネ五輪において、アメリカはブラジルに競り勝ち、金メダルを獲得。そこで決勝ゴールを決めていたワンバックは、この大会でも6試合6得点と、不動のエースとして君臨した。それでも、やはり頂点には手が届かなかった。ギリシャの地で撃破していたブラジルに準決勝で敗れ、W杯では2大会連続の3位となった。