なでしこに立ちはだかる鉄壁守護神ソロ DV逮捕などトラブル乗り越え
「表彰台の頂点に立つつもりよ」
今大会のアメリカは、1次リーグ初戦のオーストラリア戦で前半27分に失点して以降、5試合連続の無失点を続けている。その分数は513分を数え、女子W杯史上の最長無失点時間まであと28分に迫っている。
ESPNの解説者を務める元アメリカ代表MFジュリー・フォウディーさんは今大会のベストイレブンにソロを選出している。
「今大会開幕時の彼女にまつわる全ての論争がありながら、初戦オーストラリア戦は彼女のキャリアベストの1試合となった。前半2つのワールドクラスのセーブに成功し、試合をつくったことで後半の反撃を呼び起こした。ソロなしではアメリカは簡単に0-2にされていた。今大会は彼女の前で輝きを放つDFラインのおかげで、試合を救うセーブを多く見せているわけではない。だが、必要とされるとき、彼女は非凡であり続ける」
代表272試合45得点に加え、2度のW杯優勝と2度の五輪金メダルを手にした名手フォウディーさんも、世間でソロの代表招集の是非について議論が沸騰したことを認めている。それでも、ソロが大会随一の守護神であると主張した。
準決勝のドイツ戦で完封勝利後、ソロは米「FOXスポーツ」のインタビューにこう応えている。
「私たちのバックラインは、信じられない。これ以上の言葉が上手く見つからないくらいにね。バックラインだけでなく、2人のMFもそう。それが私たちのチームディフェンスね。私たちはついに決勝戦まで来た。それでも、勝たなければ十分じゃないわ。私たちは舞台を整えた。そして、表彰台の頂点に立つつもりよ」
ソロは、日本のGK海堀あゆみ、ドイツのGKナディーン・アンゲラーとともに大会最優秀GK賞にノミネートされている。前回大会はPK戦の末に、なでしこが勝利したが、最優秀GKの栄誉はソロが手にした。なでしこが大会連覇を果たすためには、トラブル続きの私生活を乗り越え、ゴール前に立ちはだかるソロという巨大な壁をもう1度破らなければならない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images