日本と対戦するベルギー監督の素顔とは? 英紙記者が証言「緻密な分析家、理想はペップ流」
ウィガン、エバートン時代の番記者が語る「指揮官マルティネス」
日本代表は現地時間2日にロストフ・アレーナで行われるロシア・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦で、FIFAランキング3位の強豪ベルギー代表と対戦する。日本サッカー史上初となるW杯ベスト8を懸けた一戦となるが、FWエデン・アザール(チェルシー)やMFケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)ら豪華タレントを束ねるロベルト・マルティネス監督について、日本ではあまり知られていない。
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“赤い悪魔”を率いるスペイン人監督を熟知する英紙「サンデー・タイムズ」のサッカー担当キャップ、ジョナサン・ノースクロフト記者が、「指揮官マルティネス」の素顔や戦術的志向について語ってくれた。
「マルティネスはカリスマ性がある。フレンドリーで常に冷静沈着だが、人を寄せ付けない部分もある。番記者とは上手く付き合っているが、常に自分の“間”をキープしながら人付き合いをするタイプだ」
現役時代は守備的MFとしてプレー。母国のレアル・サラゴサでデビュー後、ウィガンやスウォンジーなど英国を舞台に活躍した。そして2007年の現役引退直後にスウォンジーの監督に就任。ノースクロフト記者は、13-14シーズンから15-16シーズンまで率いたエバートン監督時代、その直前のウィガン監督時代にも番記者としてマルティネス監督の担当だった。
笑顔を絶やさない一方、周囲と独特な距離を置くというクールなマルティネス監督。スター軍団を束ねるカリスマ性を誇る一方で、世界屈指の守備的MFと称されながら素行不良で知られるMFラジャ・ナインゴラン(ローマ→インテル)を代表メンバーから外すなど、妥協を見せない一面を持つ。
指揮官としては「現代派」だと、ノースクロフト記者は明かす。
「監督としてはとても緻密だ。データ、スポーツ科学に基づいた分析を惜しみなく行う。と同時に、ただの“ID派”ではない。選手にもピッチ上で自由に表現するよう励ます。マルティネスの監督としての理想像は、友人でもあるマンチェスター・シティのペップ・グアルディオラだ。グアルディオラのような創造性や戦術論は持ち合わせていないが、マルティネスの目指すところはそこなのだ」
様々なデータをチーム作りに積極的に活用する一方、フィールド上では選手に対して個性を発揮することを強く求める。同じスペイン人の名将でマンチェスター・シティのグアルディオラ監督と方向性に共通点は存在するが、サッカー史上屈指の名将のレベルには達していないという。