リケルメも犠牲者

「私の友人でもあるファン・ロマン・リケルメがバルセロナ時代に彼のもとで過ごした時のことを見れば分かるが、彼は南米出身の選手を好んでいないようだ。ファン・ハールはバイエルン監督時にも南米出身の選手を放出していた」
　規律を愛し、球離れの速さを選手に求め、ボールロストをひたすら嫌う指揮官は、独特のリズムを持つ南米出身の名手を冷遇する傾向があるというのだ。バルセロナ時代のアルゼンチン代表の天才司令塔リケルメしかり、今季のディ・マリアもそうだった。同じくコロンビア代表FWラダメル・ファルカオは負傷や、コンディション不良で出場機会は少なかった。そのため、完全移籍による買い取りオプションを保有していたが、結局行使には至らなかった。
　
　「選手はロボットじゃない。何か間違ったことがあっても、監督は何が問題かを見つけてあげる必要がある。ディ・マリアにはそれをするだけの価値がある。彼は違いを提供してくれる」と語り、オランダ人指揮官にエースの重用を呼びかけていた。
　ディ・マリアは現在、チリで行われている南米選手権に参加中。準決勝のパラグアイ戦では2得点を挙げ、アルゼンチン代表の決勝進出に貢献。2014年のブラジル・ワールドカップに続き、水色のユニホーム姿で強烈な輝きを放っている。ウルグアイの英雄は、ファン・ハール監督に方針転換を提案し、この天才ドリブラーがユナイテッドでも活躍することに大きな期待を懸けている。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文　text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images