なでしこ佐々木の神算鬼謀 レジェンド澤を決勝米国戦に温存成功
終盤の投入をあえて我慢 オウンゴールと大黒柱の体力温存の二重の効果
サッカー界の「スピルバーグ」を自認する、 なでしこジャパンの佐々木則夫監督の采配が冴え渡っている。
1日(日本時間2日) の女子ワールドカップカナダ大会準決勝イングランド戦は、 中盤をあまり経由せず、 縦に速いアプローチを続けるイングランドのスタイルに苦しんだ。
「 シンプルなフィードに対してアクションするタイミングが素晴らし く、そこで我々がリズムを変えられなかったことが現実にある」 と佐々木監督が振り返ったように、小気味よくパスをつないで「 女性版のバルセロナ」 と評されたなでしこサッカーは影をひそめた。
ベンチでじっと戦況を見つめていた指揮官は、後半25分に動いた 。「延長に入る前に、 やはりゴールを奪いたいという思いは双方に同じだったと思います 。その仕掛けが我々は残り20分だった」と、 準々決勝のオーストラリア戦に続いてFW大野忍(INAC) に代えて、切り札の岩渕真奈(バイエルン・ミュンヘン) をピッチに送り込んだ。
その岩渕は、見事に試合の流れを変えた。 得意の左サイドに流れるプレーでボールを引き出すと、 アルゼンチン伝説の名手にちなんだ「マナドーナ」 の愛称そのままに鋭いドリブル突破でアクセントをつけた。 イングランドに傾いていた流れをグッと引き戻し、 なでしこの時間帯を作っていった。
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