メッシ、16強敗退も意地の勲章 英雄マラドーナ以来の「W杯1試合2アシスト」を記録
味方を生かすプレーでメルカド、アグエロのゴールを演出
世界ナンバーワンプレーヤーFWリオネル・メッシはまたもワールドカップ(W杯)に手が届かなかったが、意地を見せた。決勝トーナメント1回戦の第1ゲームにして注目カード、アルゼンチン対フランスが現地時間30日に行われ、フランスが4-3で勝利。アルゼンチンの敗退が決まった。それでも2アシストをマークしたメッシはデータ分析会社「オプタ」によると、同国におけるディエゴ・マラドーナ氏以来となる、ある記録を樹立したのだという。
試合は1-1の同点で迎えた後半3分、左サイドからの直接FKのこぼれ球を拾ったメッシが振り向きざまにシュートを打つ。これがゴール前に残ったDFガブリエル・メルカドがトラップがズレたような形となったが、結果的にコースを変え、相手GKユーゴ・ロリスが反応できず2-1とアルゼンチンが早々に勝ち越しに成功した。
しかし、ここからはフランスの攻撃力、特に19歳新星FWキリアン・ムバッペの独壇場に。ムバッペの2得点を含む3ゴールで突き放されたアルゼンチンは敗色濃厚となった。
そんななか、後半アディショナルタイムにメッシは敵陣左サイドに入り込むと絶妙のピンポイントクロスを供給。FWセルヒオ・アグエロがヘディングで合わせて3-4と1点差とした。ラストプレーでのチャンスを生かせなかったアルゼンチンは奇跡の同点劇を起こせずタイムアップの笛を聞いたが、メッシはある一つのW杯記録を打ち立てた。
それは「W杯1試合における2アシスト」だ。これは1986年メキシコ大会でマラドーナ氏が韓国戦で決めて以来の記録で、ゴールを決められなくとも味方を生かすことでゴールに直結するプレーをしていた何よりの証と言えよう。
試合終了後には放心したような表情を浮かべたメッシ。それでも最後に魅せた2アシストには、この10年間にわたって世界のサッカーファンの感情を揺さぶってきた実力を見せつけた。
(FOOTBALL ZONE編集部)