西野監督が“他力”に賭けざるを得なかった事情 ポーランド戦後半に見えた日本の失速ぶり
ポーランド戦0-1敗戦の真相 大苦戦も西野監督の決断が吉と出る
スタジアム中からブーイングを受け、試合が終わらないうちに多くの観客が席を立つという事態になったが、日本代表は28日のポーランド戦に0-1で敗れながら、ワールドカップ(W杯)で2大会ぶり3度目となる決勝トーナメント進出を果たした。いろいろな批判はあるかもしれないが、確かなことは西野朗監督の決断が吉と出たということ。これで日本は、ラウンド16でベルギーと対戦する権利を得ることができた。
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2試合続けて同じスタメンだったところから、西野監督はいきなりスタメン6人を入れ替えてポーランド戦に臨んだ。フォーメーションも4-4-2にして、岡崎慎司と武藤嘉紀を前線に並べた。気温が30度を大きく超えるなかで、日本はボールを持てばこれまでよりシンプルに2トップや左サイドハーフの宇佐美貴史にボールをつけ、そこからスピードにやや難のある相手センターバックの裏を狙っていく。
一方のポーランドは、前からあまりボールを追わずに日本が仕掛けたところでカウンターを狙い、日本が対応すればサイドでつないで、揺さぶりをかけてこようとする。そこで日本が上手くボールを取れれば、逆にカウンターから2トップを生かしてスペースにボールを入れていくという展開で、日本の方がチャンスは多かった。
前半13分には柴崎岳のロングパスから宇佐美が頭で落とし、武藤がドリブルで右足のシュートに持ち込んだが、GKファビアンスキにセーブされた。さらに3分後には武藤のボールキープから宇佐美が1タッチで右につなぎ、最後は右サイドハーフで起用された酒井高徳が左足で合わせたが、またしてもファビアンスキに止められた。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。