「普通の監督ならやらない」 “教え子”城彰二も西野采配に感服、16強ベルギー戦の勝算は?

城彰二氏が考えるベルギー戦の理想布陣【画像:Football ZONE web】
城彰二氏が考えるベルギー戦の理想布陣【画像:Football ZONE web】

西野J最大の持ち味は「分析力」、1点を争う展開に持ち込めるか

 ベスト16の相手に決まったG組1位のベルギーは、今大会屈指の破壊力を誇るチーム。FWロメル・ルカク(マンチェスター・ユナイテッド)、FWエデン・アザール(チェルシー)、MFケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)といった欧州トップクラブで活躍するタレントをいかに封じるかが、日本にとって最大のポイントになるのは間違いない。

 守備に回る時間が必然的に長くなると見られるなか、いかに組織的に連動して守れるのか、そしてチャンスと見た時に一気にカウンターを発動できるのか。攻守において阿吽の呼吸が求められる以上、このチームでより長い時間、主力としてプレー精度を高めてきた第1戦のコロンビア戦、第2戦のセネガル戦のスタメン11人で臨むべきだろう。

 ベルギーとは昨年11月に、敵地で国際親善試合を戦い0-1で敗れた。当時のチームを率いていたのはバヒド・ハリルホジッチ前監督であり、メンバーも含めてすべてが同じ状況ではないものの、約7カ月半前に一度対戦していることで、ベルギーの選手の雰囲気や戦い方を選手個々が体感できているのは大きい。また、いくら強豪とはいえ、日本の主力選手の多くが日々戦っている欧州スタイルのチームでもあるので、決してやりにくい相手ではないはずだ。

 西野ジャパンになってからの最大の持ち味は、間違いなく分析力。ベルギーの長所、短所を見極める作業は水面下で進んでいるだろう。決勝トーナメントは、グループリーグとの戦いとは別物。負ければ終わりの「一発勝負」であり、一瞬のミスも許されない緊迫感に包まれる。それはベルギーも同じで、手堅い展開になる可能性もある。

 振り返れば、日本が戦った過去二度のベスト16の戦いも、2002年日韓大会のトルコ戦が0-1、2010年南アフリカ大会のパラグアイ戦が0-0からのPK戦敗退だった。今回の相手は過去二度の相手と比べて格上とはいえ、最初の1点が試合の流れを大きく左右するのは間違いないだろう。キックオフから集中力を高く保ち、本当に数少ないチャンスを決めきれるかどうか。チームとして一丸となって挑み、「三度目の正直」で16強の壁を破ってもらいたい。

(城 彰二 / Shoji jo)



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