王国での祝祭が幕開け 主役候補のネイマールが圧倒的な存在感!!開催国ブラジルが3-1でクロアチアから開幕戦勝利
22歳の若者が10番を背負う由縁
1-1で迎えた後半、観衆の後押しを受けたブラジルがさらなる熱をスタジアムへと送り込む。独自の発展を遂げた個人技と、パスを織り交ぜた色彩豊かな王国の攻撃がクロアチアを襲った。
母国の期待を背負う男は、この日、歓声を再びその背中に集めた。ネイマールは後半26分、フレッジ(フルミネンセ)の獲得したPKをゴール左へと蹴り込む。相手GKの伸ばした手を弾いたボールはそのままゴールへと吸い込まれた。
大活躍の背番号「10」が後半43分、ベンチへと下がると、惜しみない拍手と、そのプレーの続きが見られないため息が会場を包んだ。しかし、もう一人の若き才能がそれを歓声へと変えた。アディショナルタイムに、22歳のオスカル(チェルシー)がカウンターからボールを持ち上がり、右足のトゥキックでゴールを揺らして試合を決定づける3点目を挙げた。
22歳のネイマールは、世界で最も大きなプレッシャーを背負っていることを楽しんでいるようにさえ映る2得点の大活躍で、世界中の耳目を集めた開幕戦で母国ブラジルを勝利へと導いた。94年アメリカW杯の優勝メンバーであるジョルジーニョ氏も「ネイマールは決定力を証明し、大切な時間帯でしっかりと決めた」と、その活躍を称えた。
また、それを支えるように、ダビド・ルイスを中心とした守備陣も機能し、クロアチアの鋭いカウンターを最少失点に封じ込めた。ブラジルは圧倒的な力を発揮し、クロアチアのアップセットを許さなかった。優勝を義務づけられたセレソンは、ネイマールがけん引する。
その背番号「10」は試合直後、「(2得点の活躍は)想像以上だった。W杯のデビュー戦で2得点できてうれしい」と素直に喜びの言葉をはき出した。
王国は新たな王の誕生を待ちわびてきた。だが、その振る舞いは、すでにかつてのキングの“ソレ”だった。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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