指揮官「個人的には絶対に負けたくない」

　佐々木監督の一人娘の千尋さんはサッカー経験者でロンドンに留学していた。語学堪能で2012年1月のFIFA女子年間最優秀監督賞受賞式に夫人とともに同行していた長女は、イングランド人と結婚。そして、サッカーを国技とするイングランドとの対決に佐々木家が複雑な状況に陥ったという。

　満面の笑みを浮かべながらの予想外の告白に会見場は爆笑に包まれた。

　決勝トーナメンントでは華麗なパスワークを披露し、「チームコンディションが上がっている」と自信を深める佐々木監督だが、イングランド代表は天敵。就任以来1敗1分けで、前回の2011年ドイツW杯では1次リーグで唯一の黒星をつけられた。「前回のW杯で負けたのはイングランド。それまでと、ここまでは勝っている。以前負けた相手と準決勝で戦う。個人的には絶対に負けたくない意欲が更に増している」と闘志をたぎらせている。

　心を鬼にして、可愛い娘婿の母国を倒すつもりだ。