39歳まで代表でプレーしたリリーさんは、澤が2000年から2003年にアタランタ・ビートで、09年から10年までワシントン・フリーダムでプレーした際もボストン・ブレーカーで活躍していた。同じ舞台でしのぎを削ってきた僚友でもある。澤はアメリカでプレーしていた当時、フィジカルに優れる米国人選手たちを俊敏な動きと、技術で手玉に取ってきた。「クイック・サワ」の異名で呼ばれた、そのプレーをライバルチームの選手として見てきた。世界の女子サッカーを共に引っ張ってきた存在だけに思い入れも強いのだろう。 今大会は途中出場が多いが、試合終盤をその存在感からくるカリスマ性で締めくくる澤。2011年にはFIFA最優秀選手に選出されたレジェンドのプレーを、4 年に一度の大舞台で目にできる幸せをサッカー界は噛みしめている。 【了】 サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images