西野J快進撃の根底に息づく“ハリルの遺産” プロ集団に変えた「戦う意識」と「経験則」
快進撃を見せる西野ジャパンの原動力とは――
日本代表は6月24日のロシア・ワールドカップ(W杯)グループリーグ第2戦で、2度のリードを許しながらMF乾貴士のW杯初ゴールと、MF本田圭佑の日本史上初となる3大会連続ゴールで追いつき、2-2の引き分けに持ち込んだ。
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初戦のコロンビアが10人だったとはいえ、4年前のブラジルW杯で1-4と敗れている相手。さらに日本は指揮官が2カ月前に交代したばかりで、一方のホセ・ペケルマン監督の堂々たるキャリアは今さら紹介する必要もないだろう。にもかかわらず、西野朗監督は南米の曲者を2-1で下して世界中に衝撃を与えた。
さらに中4日で迎えたセネガル戦――。初戦のポーランド戦をフィジカルで圧倒した相手に2度もリードを許しながら追いつき、乾のクロスバー直撃のシュートやFW大迫勇也の空振りさえなければ勝ち点3を獲得できた可能性もある大善戦を演じた(GK川島永嗣には1失点目はパンチではなくしっかりキャッチしてほしかった)。
今年3月のベルギー遠征では、プラス材料を見つけることが難しかった。それがバヒド・ハリルホジッチ前監督の解任につながった。しかし、今大会の主力選手はハリル・ジャパンとほとんど変わらず、スタメンの平均年齢は28歳以上と参加国で最も高齢だ。にもかかわらず、西野ジャパンは快進撃を見せている。その原動力を4年前との比較も合わせて探ってみた。
六川 亨
1957年、東京都生まれ。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年に退社後はCALCIO2002、プレミアシップマガジン、サッカーズ、浦和レッズマガジンなどを創刊して編集長を務めた。その傍らフリーの記者としても活動し、W杯や五輪などを取材しつつ、「サッカー戦術ルネッサンス」(アスペクト社)、「ストライカー特別講座」、「7人の外国人監督と191のメッセージ」(いずれも東邦出版)などを刊行。W杯はロシア大会を含め7回取材。現在は雑誌やウェブなど様々な媒体に寄稿している。