W杯2連敗の韓国、“戦犯”探しに躍起 PK献上のFC東京DFに向けられる厳しい視線
中盤での連携ミスや不用意なファウルへの批判は聞こえず
たった一度のミスで、自身を取り巻く状況が大きく変わるのがW杯という舞台だ。チャン・ヒョンスのミスは、確かに批判から免れないものかもしれない。ただ、PKとなったハンドのミスは運が悪いとも判断でき、ここまで言われなければならないのかとも感じる。
韓国は中盤での連携ミスや不用意なファウルの多さも目立っていたし、決定的なチャンスをものにできなかった部分もあるが、そうした批判の声は韓国内ではほとんど聞こえてこない。
次戦の相手となるドイツは、勝利をもぎ取るために全力で来るだろう。“本気”のドイツを相手に韓国は防戦一方となる可能性が高く、再び今回のようなミスが起こるかもしれない。
もう振り返っても時間は戻らない。ドイツ戦勝利に向けて、チーム内の雰囲気を立て直す時だ。
(金 明昱 / Myung-wook Kim)
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。