W杯2連敗の韓国、“戦犯”探しに躍起 PK献上のFC東京DFに向けられる厳しい視線
涙のチャン・ヒョンス、韓国代表OBも辛辣なコメント
さらに同誌は「選手には過酷な評価かもしれないが、今回の失点の状況では、その原因となったチャン・ヒョンスが見せた二度のタックルは敗因の決定的な要因の一つだ。1点目はプレーが雑、2点目は慌てていた。DFは落ち着いて、冷静に対処すべきなのに期待に応えられなかった」と伝えている。
今回、この試合を韓国のソウル広場のパブリックビューイング会場で見ていたが、周囲の韓国民の反応を見ていると確かにチャン・ヒョンスに対する風当たりは強かった。
この試合が終わり、ソン・フンミンらがミックスゾーンで生中継のインタビューに答えていたが、チャン・ヒョンスは最後まで出てこなかったのだ。その理由について「別の道からスタジアムを出た。選手を保護するため」と大韓サッカー協会関係者は説明したという。
前出の「ベストイレブン」によれば、チャン・ヒョンスはこの試合が終わって嗚咽しながら涙を流し、失点を反省していたというが、批判は止まらない。
「こうした精神状態で正常なプレーができるのかを憂慮している。“メンタルが壊れた”チャン・ヒョンスをドイツ戦という崖の底に落とすのか」と伝え、別のDFの起用を促している。
さらに韓国代表OBで、2010年南アフリカW杯にも出場したテレビ解説者のイ・ヨンピョのコメントも辛辣だった。
「あの状況でタックルに入ってはいけない。タックルをしないで防がないといけない。タックルは確実な時にすべきだ。サッカーの基本はタックルをしなくてもいい場面が多いわけで、この試合を学生たちも見ているのに、あの状況でタックルをしてはいけない」と、自身がDFとしてプレーした経験をもとに、どのように対処すべきなのかを説明していた。
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。