W杯2連敗の韓国、“戦犯”探しに躍起 PK献上のFC東京DFに向けられる厳しい視線
第2戦のメキシコ戦でDFチャン・ヒョンスが痛恨のPK献上
2連敗の戦犯は誰なのか――。韓国では今、そんな論争がネット上の記事にあふれている。
ロシア・ワールドカップ(W杯)初戦で、韓国はスウェーデンに0-1で敗戦。DFキム・ミヌ(尚州尚武)が不用意なスライディングタックルでPKを与えてしまい失点を喫した。そしてその悪夢は、第2戦のメキシコ戦でまたしても起こってしまった。
前半24分、ペナルティーエリア内でDFチャン・ヒョンス(FC東京)がスライディングしたところ、相手が蹴ったボールが手に当たってしまいPKの判定。この失点から試合運びが難しくなってしまったのは否めず、後半21分にも追加点を与えてしまった。同アディショナルタイムにFWソン・フンミンの強烈な左足のミドルシュートで一矢報いたが万事休す。1-2で敗れた韓国は、最終戦のドイツ戦にわずかな望みをつなぐ形になった。
韓国メディアは、今回の敗戦の矛先を真っ先にチャン・ヒョンスに向けている。
サッカー専門誌「ベストイレブン」は「チャン・ヒョンスは技術的に見ても、代えがきかないディフェンダーと評価されている。A代表チームコーチやサッカー専門家たちの全般的な見解がそうだ。だが、メンタル的にブレていて、実力を発揮できない状態ならどうか? よりによって、歴代W杯代表チームと比較して、DFの比重が大きいチームにもかかわらずチャン・ヒョンスに固執しているならば、その判断は正しいのか」と疑問を投げかけている。
金 明昱
1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。