VARで今大会初のPK取り消しも… ブラジルが後半ATの劇的2ゴールでコスタリカ撃破
堅守に大苦戦も終了間際にコウチーニョ、ネイマールがゴール!
ロシア・ワールドカップ(W杯)グループリーグ第2戦のブラジル対コスタリカが現地時間22日に行われ、優勝候補のブラジルはFWネイマールが得たPK判定が、今大会で初めてビデオ・アシスタントレフェリー(VAR)の進言で取り消されるなど厳しい試合展開となったが、後半アディショナルタイムにMFフィリペ・コウチーニョ、FWネイマールがゴールを決めて2-0で勝利した。
ブラジルのチッチ監督は、初戦のスイス戦で10回ものファウルを受けて右足首を痛め、練習から離脱することがあったネイマールをスタメン起用。変更は右サイドバックにDFファグネルを起用するのみに止めた。
一方で、前回大会はイタリア、ウルグアイ、イングランドが同居する死のグループを突破し、ベスト8に進出して世界を驚かせたコスタリカだが、初戦のセルビア戦で敗戦。ここで敗れると敗退が決まる後がない一戦となった。
最初の決定機はコスタリカだった。前半13分、右サイドをパス交換でスピードアップして突破すると、マイナスの折り返しに走り込んだのはMFセルソ・ボルテス。フリーで放った右足シュートだったが、ゴール左に引っ掛けて外してしまった。
ブラジルはコスタリカの5-4-1でブロックを作る守備の前に攻撃の糸口をなかなかつかめない。同26分にはDFマルセロのシュートのこぼれ球をFWガブリエル・ジェズスが蹴り込んだが、明らかなオフサイドで得点とはならなかった。2分後には左サイドから抜け出したネイマールがゴールに迫ったが、GKケイラー・ナバスが素早く飛び出してシュートを打たせてもらえなかった。
時間の経過とともにネイマールが高い位置でボールに絡めるようになったブラジルはペースをつかんだ。コスタリカゴールに近い位置まで攻め込む攻撃も増えたが、前半のうちに先制点は奪えず。スコアレスのまま試合は後半勝負になった。
ブラジルは後半からFWドウグラス・コスタを投入すると、いきなり猛攻を仕掛けた。同4分にはジェズスのヘディングシュートがクロスバーを叩き、二次攻撃ではMFフィリペ・コウチーニョのシュートが際どく枠を外れた。同11分には右サイドからグラウンダーで入ってきたボールに、逆サイドから入ってきたネイマールがゴール正面で合わせた。決定機だったが、ゴール上を狙ったシュートはナバスが素晴らしい反応でセーブした。
チッチ監督は後半の半ばにMFパウリーニョに代えてMFロベルト・フィルミーノも投入して攻撃の厚みをさらに増した。同27分には相手DFの不用意なトラップミスを奪ったネイマールがドリブル。ゴール正面からフリーで狙ったが、インフロントにかけたボールはゴール右へ飛んだ。
ブラジルが分厚く攻めてコスタリカがカウンターを狙う構図のゲームで、大きな事件が起こったのは同33分だった。ペナルティーエリア内に切り込んだネイマールは、相手DFから少しユニフォームを引っ張られた。そこで大きく手を広げて倒れた姿を見て、ビョルク・カイペルス主審はPKを宣告した。しかし、VARの進言で映像が確認されると、判定はノーファウルと覆った。今大会でPK判定が取り消されたのは、このプレーが初めてだった。
それでもブラジルはアディショナルタイム突入直後、右サイドからのボールがゴール前にこぼれたところにコウチーニョが突進。ゴール内に押し込んで決勝ゴールを挙げた。さらに終了間際にはコスタのアシストからネイマールが押し込み、苦戦の末に2-0で今大会の初勝利を手にした。一方、2連敗となったコスタリカは敗退が決定した。
(FOOTBALL ZONE編集部)