接戦続きのなでしこ 佐々木監督は冗談交じりに「スピルバーグのせい!?」
本音もポロリ
一方で、この日はリズム良くボールをつなぐなでしこジャパンらしいサッカーが展開された。その要因の一つとして、佐々木監督は試合が行われたバンクーバーのBCプレイス・スタジアムのピッチ状態を挙げた。< br>
「今日、バンクーバーのピッチはこの大会で一番ボールが走ったんです。試合前にまんべんなく水をピッチにまいていただいた。相手もボールを動かしやすかったんじゃないかと思いますね。我々はボールのスピードを出す筋力が無いので、ピッチが重い方が苦手。女子のサッカーもスピーディーな方が良いと思いますから、大会運営の方々にはボールが走りやすいピッチにしてほしい。我々だけでなく、お互いのチームにとってそういう面があるのではないか」
指揮官は、日本にとって戦いやすいピッチ状態だったことを認めた上で、大会全体のレベルを上げるための提言もしていた。
ベスト4を懸けて戦う次のオーストラリアに対しては、「我々がアジアでいつも戦っているオーストラリアで ないことは確か。この大会で非常にレベルが上がってきた、上昇しているチームだと確認してますので、心して戦わなくてはいけない。私が就任してからオーストラリアに負けたことはないんですが、今は一番の可能性を持ったチーム。そこを意識して選手たちには戦ってほしい」と警戒感をあらわにし、気持ちを引き締めた。
この日も合わせ、今大会は開幕から4戦連続で1点差の勝利になった。佐々木監督は「本当にいつも申し訳ございません。スピルバーグ監督が、最後の最後までハラハラドキドキの場面を作ってしまいました。あれは僕のせいですから。次はそういうことが無いように、無いようにと思っているんですが、いつもあります」と、苦笑い。そして、「一番ハラハラドキドキしてるのは俺な んだけどね」と、本心をポロリ。27日(日本時間28日)の準々決勝では、なでしこジャパンを応援するファンも佐々木監督も安心できる試合が見られるだろうか。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images