川澄、躍進オーストラリアを警戒「アジアカップの時とは少し違う」

川澄「何かをきっかけに勢いに乗れるのがなでしこ」

 なでしこジャパンのFW川澄奈穂美(INAC神戸)は23日(日本時間24日)、女子W杯カナダ大会の決勝トーナメント1回戦のオランダ戦に右サイドハーフとして先発出場した。2-1で大会初出場のオランダを退けた日本は、2大会連続でベスト8進出を決めた。川澄は、試合後すぐに次戦へ向けて気を引き締めた。
 ピッチを精力的に駆け回った背番号9は勝利にも決して浮かれた様子はない。なでしこジャパンは27日(日本時間28日)の準々決勝では、ブラジルを撃破して勝ち上がったアジアのライバル・オーストラリアと対戦する。中3日の日本に対し、オーストラリアは中5日と休養十分でこの一戦を迎える。
 オーストラリアとは通算成績で9勝7分5敗となっているが、佐々木則夫監督の就任以来、6勝1分1敗と優勢を保っている。近年は相性の良い相手とも言える。しかし、川澄は「オーストラリアは中5日あるのでかなりコンディションのいい状態で挑んでくるのではないかなと思います。オーストラリアのここ4試合を観ていてもかなり勢いがある。昨年アジアカップでやった時の印象とは少し違う」と、警戒を強めている。
 「この中3日で劇的に何かを変えられるわけではないと思います。でも前回大会も(準々決勝の)ドイツ戦で勝ってすごい勢いがついたというのがあるように、何かをきっかけに勢いに乗れるっていうのがなでしこでもある。今日の試合も次につながる試合だったと思う。オーストラリア戦も、さらに勢いを持って次(準決勝)に行けるような試合にしていけたらいい」
 この言葉から思い出されるのは2011年ドイツ大会での川澄の大活躍だ。決勝トーナメント初戦となった準々決勝で開催国の強豪ドイツを延長戦の末に1-0で下した日本は、準決勝でスウェーデンと対戦した*。この試合で大会初先発を飾った川澄は2ゴールを決め、決勝進出に大きく貢献。シンデレラ・ガールとして一躍その名を轟かせた。
 また今大会は日本を含め、オーストラリア、中国とアジア勢が3カ国ベスト8入り。川澄も「アジアの代表としても嬉しく思う。それだけアジアのレベルも上がってきている」と素直に喜ぶ反面、「これからW杯に出るのもすごく大変になってくる」と、ライバル国の成長に対する危機感を口にしていた。
 (*2011年ドイツ大会は出場が16ヶ国だったため、決勝トーナメントに進んだのは8チーム。今大会から出場国が24ヶ国に増加し、16チームが決勝トーナメントに進出)
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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