宮間主将の冴え渡るゲームメーク 女性版バルセロナ復活で8強進出
前回大会優勝時の華麗なパスサッカー復活の兆し。左サイドから 2得点を演出
23日(日本時間24日)、なでしこジャパンは決勝トーナメント 1回戦でオランダに2-1の勝利を収め、 優勝した2011年ドイツ大会に続き、2大会連続のベスト8進出 を果たした。
有吉と阪口のゴールにより2-0とリードして試合を進めた日本だ が、試合終了間際にGK海堀のミスから失点。 残り時間を守り切ったものの開幕から4戦連続で1点差の勝利とな り、 前回王者の覇者として圧倒的な力の差を見せるような結果は出せて いない。
そんな中、キャプテンのMF宮間あや(岡山湯郷)は「1点差でも 、とにかく試合を通して勝ち切ることを意識していた」と語った。
試合の立ち上がりは、 オランダが両サイドを広く使って攻撃に掛かる姿勢を見せた。 相手のアプローチに対して、宮間のゲームメークは冴えた。
「相手の勢いに飲まれないようにしながらも、 自分たちのリズムを作る」
このコンセプトの下で味方に大きなコーチングの声を掛け続けた。 ゲームの流れを引き寄せると、 前半10分には宮間は左サイドから大儀見の頭にピタリと合うピン ポイントクロスを提供した。 こぼれ球に詰めた有吉の先制ゴールを演出した。
選手同士の間隔、距離感にも気を配り続けた。すると、1次リーグ の戦いでは影をひそめたパスワークが復活した。そして、 後半33分の追加点の場面も宮間のサイドから生まれた。 大儀見がポストプレーで相手を引きつけたところ、 左サイドをオーバーラップした宮間にヒールパスが通る。 宮間が冷静に中央へ戻したところを阪口が蹴りこんだ。 いずれのゴールも“女性版バルセロナ”と呼ばれ、 世界を席巻した前回ドイツ大会のような美しい連携だった。
なでしこらしさを湛えた2ゴールに「 どちらの得点もサイドを起点に中で結果を残すことができたので良 かった」と、主将は納得の表情で頷いた。
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