なでしこジャパンは、23日(日本時間24日)、カナダ女子ワールドカップ決勝トーナメント1回戦で、オランダに2-1で勝利した。DF有吉佐織と、MF阪口夢穂(共に日テレ)のゴールで2-0とリードした日本だったが、試合終了間際に失点。薄氷を踏む勝利となった。 まさかの失点だった。右サイドの浅い位置からのクロスをオランダFWファン・デ・フェンが有吉と競りながらヘディングシュート。ワンバウンドしたボールは、GK海堀あゆみの正面に飛んだかに見えたが後逸。ボールはゴールへと転がり込んだ。イレギュラーバウンドがあったにしても、GKとしては不用意なプレーで失点を招いてしま った。 ただし、それ以外の場面では、安定感があった。後半31分には、相手コーナーキックをクリアしようとした鮫島の足に当たったボールがゴールを強襲したが、反応良く右手でボールを弾き出した。失点直後の試合終了間際にはゴール前の混戦に判断よく飛び出してボールを抑え、オランダの反撃ムードを断った。 今大会は佐々木監督が異例とも言えるGKのローテーション起用を決断。海堀は1次リーグ第2戦カメルーン戦以来の出場となった。その影響があったのかは定かではないが、今後もGKを試合によって変更するのか、固定していくのか。佐々木監督の今後の判断に注目が集まる。 大会開幕から4試合連続で1点差で勝利し、勝負強さを見せるなでしこジャパン。この試合でも、チー ムワークの良さを感じさせる1シーンがあった。ミスを悔やむ海堀に対してINACのチームメートである大野忍や、この日の決勝点を挙げた阪口が歩み寄って声を掛けた。そうした結束力が、僅差を勝ちきる強さにつながっているのかもしれない。次戦は4強進出を懸けて27日(日本時間28日)に、エドモントンのコモンウェルススタジアムでオーストラリアと準々決勝を戦う。 【了】 サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images