サラーに悪夢 エジプトが開催国ロシアに完敗、グループリーグ敗退危機
エースのサラーが満を持して先発もPKで1点を返すのが精一杯
開催国ロシアが決勝トーナメント進出へ大きく前進、エジプト代表FWモハメド・サラーには悪夢の試合になった。ロシア・ワールドカップ(W杯)グループリーグA組の2試合目となるロシア対エジプトは3-1でロシアが勝利。サラーはPKで得点したものの、グループリーグ敗退の危機に瀕した。
リバプール所属のサラーは、先月のUEFAチャンピオンズリーグ決勝戦で、レアル・マドリードのスペイン代表DFセルヒオ・ラモスとの接触で左肩を負傷。涙を流しながら途中交代となり、W杯出場も危ぶまれていた。実際に、グループリーグ初戦のウルグアイ戦は欠場となり、チームは0-1でゲームを落とした。
満を持してロシア戦でスタメン復帰したサラーだったが、エジプトは後半にロシアの勢いに飲み込まれた。まずは同2分にオウンゴールで先制ゴールを献上すると、同14分にMFデニス・チェリシェフ、その3分後にFWアルテム・ジュバにそれぞれ2試合連続弾となる追加点を許し、一気に3点ビハインドとなった。
後がなくなったエジプトは、後半25分過ぎにサラーがペナルティーエリア内へ向けてショートパスの交換から突破。サラーはペナルティーエリアの入り口で相手につかまれて転倒した。主審は当初、ペナルティーエリア外のファウルとしてフリーキックを宣告したが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の進言でPKへと判定を変更。これをサラーが自ら蹴り込み、自身W杯初ゴールを記録。エジプト代表としても、1990年イタリア大会以来28年ぶりとなる得点を決めた。
しかし、エジプトはこの1点が精一杯でロシアに1-3で敗れた。2連勝のロシアは勝ち点を6に伸ばしたが、エジプトは2連敗で勝ち点ゼロ。翌日のゲームでは、ウルグアイと初戦でロシアに0-5で敗れたサウジアラビアが対決する。ウルグアイが勝利すれば、ロシアとウルグアイの2位以内が確定して揃って1次リーグ突破が決定。引き分けなら、ロシアのみ突破が決まる。いずれの場合もエジプトは敗退が決まるだけに、サラー率いるエジプトはサウジアラビアがウルグアイに勝利するという、大番狂わせを期待せざるを得なくなった。
(FOOTBALL ZONE編集部)