なでしこジャパン、2ー1でオランダ撃破! 2大会連続W杯8強進出決定

連覇に向け華麗なパス回しも復活。有吉、阪口弾で今大会4試合連続1点差勝利

 なでしこジャパンは23日(日本時間24日)、女子ワールドカップカナダ大会決勝トーナメント1回戦オランダ戦を迎え、前半10分、DF有吉佐織(日テレ)が先制点を奪い、後半33分のMF阪口夢穂(日テレ)が追加点を決めた。アディショナルタイムに失点を喫したが、2-1勝利を飾った。2大会連続の8強進出を決めた。2011年ドイツW杯に続く優勝を狙うチームは、27日(日本時間28日)、エドモントンのコモンウェルススタジアムで行われる準々決勝でオーストラリアと戦うことになる。
 1次リーグを3戦全勝で突破した日本の佐々木監督は定番の4-4-2システムで、1次リーグ2戦目のカメルーン戦以来となるGK海堀を先発で起用した。海堀は前回ドイツ大会の正守護神だった。阪口と宇津木がボランチを組み、W杯6大会連続出場の澤はベンチスタート。川澄が右サイドハーフで先発。大野が大儀見と2トップを組んだ。一方、グループAの3位から進出したオランダは、スピードのある両ウイングがサイドに大きく張り出す4-3-3システムで臨んできた。
 一進一退の立ち上がりから前半10分、日本は貴重な先制点を挙げる。左サイド宮間のクロスを大儀見がヘディングシュート。クロスバーに当たって跳ね返ったところに走り込んだ有吉が右足でGKの手を弾く強烈なグラウンダーのシュートを決めた。有吉はこれがW杯初ゴールになった。
 日本はオランダのカウンター攻撃に対し安定感のある守備を見せる。ボールを奪ったところから素早く攻めていく。同22分には宮間からのパスを受けた鮫島が長い距離をドリブルで駆け上がり、最後は大野との巧みなワンツーからボレーシュートを放ったが、惜しくもゴール上へ外れた。24分、28分と立て続けに川澄がミドルシュートを放つ。29分には2トップが相手バックラインからボールを奪い、大儀見が左足でミドルシュート。追加点にはならなかったが、日本がゲームの主導権を握った。
 その後はやや試合が膠着状態に入ったものの、日本は危なげなくリードを保つ。終了間際の45分には大野がフリーでヘディングを狙うチャンスもあったがものにできず。前半シュート13本の猛攻を見せながら、1-0でハーフタイムを迎えた。
 後半、立ち上がりから攻勢を強めるオランダに対し、日本はカウンター攻撃が冴えた。後半9分には大儀見、宮間、川澄とつないでチャンスを演出。川澄のクロスが相手DFに当たりあわやゴールかというシーンを作った。同11分にも前線でボールを奪い大儀見のラストパスは惜しくも大野に届かず、相手DFのブロックにあった。
 追加点を奪えない展開に、佐々木監督がついに動く。21分に大野に代えて岩渕をピッチに送り込む。大儀見と2トップを形成した。岩渕は前線で起点になる一方、積極的に最終ラインの背後へ飛び出していく。25分過ぎからオランダの両サイドからクロスが上がる形が多くなったが、岩清水と熊谷の両センターバックを中心に跳ね返す。31分にはコーナーキックを鮫島がクリアしようとしたボールがゴールマウスへ向かうピンチを迎えたが、海堀が反応良くはじき出し、オランダの波状攻撃を何とかしのいだ。
 苦しい時間帯をしのいだ日本は33分、待望の追加点を奪う。岩渕から大儀見にパスが渡ると、オーバーラップした宮間へヒールパス。宮間が中央へ戻すと、岩渕がスルー。最後は走り込んだ阪口が左足でミドルシュートを決めた。狙い澄ました一撃で2-0とリードを広げた。
 ゲームを締めに掛かる佐々木監督は、35分に川澄を下げて、澤を投入する。岩渕を右サイドにシフトし、3ボランチにして中央を固めた。
 激闘を制し、バンクーバーの空に勝利の凱歌を上げたなでしこジャパン。1次リーグ3試合はいずれも1得点差で辛勝を続けてきたが、この日もロスタイムにGK海堀のミスで失点し、1得点差で勝利した。1次リーグで示した攻守の粘りと勝負強さのみならず、前回大会の華麗なパスサッカーもフィールド上で表現することができた。2011年ドイツ大会に続く連覇へ。女王の威厳を示しつつ、たくましさを増す、なでしこ軍団は、一歩一歩頂点への階段を上っていく。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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