なでしこ佐々木監督が対戦相手を警戒 明日ベスト8懸けオランダ戦
自らの原点トータルフットボールを警戒
そして、自らの指導者の原点となったフットボールと対峙することになる。
「オランダといえばモダンなサッカーをする。僕自身も監督になる時にクライフが頑張っている時のトータルサッカーを勉強してやってきた。女子はやはり実直な現状のメンバーの中で、初めてW杯に出てきた中でのアベレージをしっかりと獲得するというようなスタイルのサッカー。それも我々にとっては脅威な戦い方を実感している」
若き日の佐々木監督にとっては、バルセロナやオランダ代表で現役、指導者として活躍した天才ヨハン・クライフを象徴とするトータルフットボールの研究を重ねたことが出発点だったという。実直なロールプレイヤーが多いという対戦相手の最大値を高める、その戦術は指揮官の目に脅威と映っている。
ディフェンディングチャンピオンの日本だが、今回は対戦相手に恵まれたと指摘されることも多い。
「初出場の国と3戦やり、次4戦目も初出場だということで、簡単という言葉を使っているようですが、彼女たちは失うものがなくて、それを元チャンピオン相手にすごくチャレンジ精神旺盛な戦い方をしている。我々もある程度チャンピオンというプレッシャーの中で戦っている。そういう面でもスコアを見ても、1点差という厳しい戦いを90分間やってきたことが我々の成長につながっている。明日の試合も簡単な試合ではないことは、選手たち自身が一番よくわかっている。そういう意味でも、しっかりと結果として次のステージへ向かうために、精神的にも技術的にも我々のチーム力的な要素に準備をいい状態でしていると思います」
ジャイアント・キリングを目指す貪欲な相手を過小評価することは大きな痛手につながることを佐々木監督は分かっている。受けて立たず、まずは全力でベスト8入りを狙うつもりだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images