南アフリカW杯“16強戦士”の松井大輔が語る 「対南米」の難しさとコロンビア攻略法
本音の対話、妥協を許さないコンディション調整…チーム一丸の環境作りが重要
西野朗監督率いる日本代表は、ワールドカップ(W杯)開催地ロシアに入り、19日のグループリーグ初戦コロンビア戦に向けて調整を続けている。本大会前最後のテストマッチとなったパラグアイ戦(4-2)で初勝利を挙げたとはいえ、チーム発足からわずか2カ月、他国に比べて熟成度で劣っている感は否めない。そのハンデをどのように埋め、決戦に挑めばいいのか。2010年の南アフリカW杯戦士であるMF松井大輔(横浜FC)を直撃した。
2010年の岡田ジャパンは、国内壮行試合となった韓国戦(0-2)、事前合宿地でのイングランド戦(1-2)とコートジボワール戦(0-2)で3連敗を喫し、世間からは厳しい目を向けられた。しかし、岡田武史監督がアンカーにMF阿部勇樹(現・浦和レッズ)、1トップにFW本田圭佑(現パチューカ)を置く戦術変更に踏み切り、ベスト16進出の躍進を果たしたのはまだ記憶に新しい。他にも、選手たちはコンディション調整を徹底するとともに、お互いの意見をぶつけ合うことが重要だと松井は説く。
「当時はスイス合宿中に選手だけでミーティングをしました。長谷部(誠)、(中澤)佑二くん、俊さん(中村俊輔)が話すことになって、(田中マルクス)闘莉王も自分たちに何が足りないのかをしゃべったり。そこで選手が変われました。(本田)圭佑とか(香川)真司が中心になって発言しないといけないと思います。
あと一番大事なのは、各々がコンディション調整に徹すること。当時、高地での事前合宿では居残り練習もしていましたし、俊さんもその一人でした。時には卓球やビリヤードをやってリラックスしながら、一丸となってチーム力を上げていくのが理想ですね」
当時、事前合宿中のミーティングでDF田中マルクス闘莉王(現・京都サンガF.C.)が、「日本らしいスタイルとか、パスを回すとか、もちろん理想は大切だけど、ヘタくそはヘタくそなりに泥臭くやんないと」と訴えかけたのは有名だ。そして、松井が名前を挙げたように、左足首痛を抱えていた中心選手のMF中村俊輔(現・ジュビロ磐田)も練習オフ日にグラウンドで個人トレーニングをして汗を流すなど、一切の妥協を許さなかった。本田やDF長友佑都(ガラタサライ)らはバヒド・ハリルホジッチ前監督時代に比べて議論が増えていると明かしていたが、“腹を割った対話”は大きな力を生む可能性があるようだ。