澤が今大会が最後のW杯と明言 引退後のプランも語る

「夢を夢で終わらせずに、叶えること」

 なでしこジャパンの10番にして長年日本の女子サッカー界をけん引してきたMF澤穂希が、FIFA公式サイトでインタビューに応じている。
 トップニュースとして取り上げられた澤は自身6度目の出場となるW杯について、「2011年の前回大会に優勝して以来、他国が自分たちを見る目が変わった。私たちは強いが、W杯を勝つのは簡単なことではない。1次リーグを全勝で突破したのは、私たちとブラジルだけ。4年前に比べて大会のレベルは上がっている」と分析している。
 決勝トーナメント初戦で対戦するオランダについては「ニュージーランド戦とカナダ戦をテレビで見たが、選手たちの質が高い。フィジカルに優れ、ドリブルにスピードがある典型的なヨーロッパのチーム。背の高い選手が多いので、意識しなくてはいけない」と警戒感を示していた。
 一方、自身のパフォーマンスについては「まだ最高のプレーやゴールは見せていない」と1次リーグ以上にギアを上げる必要を明らかにしながらも、「チームのためにできることを全てを捧げる」と断言。また、前回大会と比較したなでしこの実力については「比べることはできない」と語るにとどまった。
 今大会でキャプテンを務めるMF宮間あやに対しては「経験上、チームの先頭に立つのは簡単ではない。できる限りのサポートをする。相談を受けたときにアドバイスをすることもある。彼女が今チームをまとめる責任を負っているが、チームが切れ目なく変化しているのは日本サッカーの素晴らしいことだと思う」と言及。全幅の信頼を置きつつも良き相談役になっているという。
 今大会が最後のW杯になるのかという問いに対しては「イエス」と明確に回答。一方で、「精神と肉体が許す限りサッカーを続けたい」とも答えており、「来年のオリンピックでもプレーしたい」と強い意欲を示した。
 引退後のプランを問われると、「間違いなく指導者になることは望まない」と語り、圧倒的な求心力と実績を誇る監督・澤穂希を望む声は多いが、指導者としての希望はないという。「スパイクを脱いだ後のことは正確には分からないが、サッカー界に残りたい」と希望する一方で、「2020年の東京五輪に関わることができれば」と、将来について語った。
 最後に人生の哲学について語った。「夢を夢で終わらせずに、叶えること」。W杯で澤の雄姿を見ることができるのは準決勝に進むことができれば、あと4試合となる。4年前のドイツ大会に続く連覇を達成し、なでしこの背番号「10」の雄姿をカナダの地に刻み込んでもらいたい。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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