王者ドイツが初戦で破れる大波乱! 終盤猛攻も崩せず、メキシコが1-0で歴史的勝利
カウンターからロサノが先制弾、最後まで守り抜く
王者が黒星発進という波乱が起きた。ロシア・ワールドカップ(W杯)のグループF、史上3カ国目の連覇を狙うドイツと、6大会連続ベスト16のメキシコという強豪国対決が現地時間17日に行われた。鋭いカウンターが冴え渡ったメキシコが、前半35分にFWイルビング・ロサノが挙げた1点が決勝点となり、1-0で勝利を収めた。
ドイツは守護神に負傷から復帰のGKマヌエル・ノイアーを据えた。さらに最終ラインにもDFジェローム・ボアテングとDFマッツ・フンメルス、前線に司令塔MFメスト・エジル、FWトーマス・ミュラーなど前回大会の優勝メンバーを多く揃えた。それに対し、メキシコもFWチチャリートら16強入りを果たした前回大会からの主力が多く残るメンバー構成となった。
今大会も優勝候補のドイツが優勢に試合を進めるかに思われたが、序盤から勢いを持って攻めたのはメキシコだった。鋭いカウンターでドイツの守備陣を翻弄していく。
均衡が破れたのは前半35分。メキシコはFWチチャリートがポストプレーで起点となり、リターンパスを受けてカウンターを発動。ドリブルでボールを運び、駆け上がったロサノへラストパスを通した。オランダのPSVでプレーする22歳はDFを交わし、右足のシュートでノイアーの守るゴールを破った。
ドイツも同38分にMFトニ・クロースの直接FKがクロスバーを直撃するなど惜しい場面もあったが、ゴールは奪えなかった。1-0とメキシコリードのままハーフタイムに突入した。
追いつきたいドイツは後半にさらに攻勢を強めていく。前半と同様にメキシコのカウンターに手を焼くも、15分にはボランチのMFサミ・ケディラに代えて、MFマルコ・ロイスを投入。トップ下のエジルのポジションを下げ、より攻撃的な布陣に切り替えた。
同29分、リードしているメキシコはMFアンドレス・グアルダードに代えて39歳のDFラファエル・マルケスを投入した。バルセロナなどで活躍したレジェンドはこれで2002年の日韓W杯から5大会連続出場。同胞のアントニオ・カルバハル(メキシコ/1950年から1966年)とローター・マテウス(ドイツ/1982年スペイン大会から1998年)に並ぶW杯歴代最多タイ記録を打ち立てた。
ドイツは同34分にDFマルヴィン・プラテンハルトを下げて、長身FWマリオ・ゴメスを投入。最後の約10分間はより攻撃に比重をかけた。
しかし、集中力を保ったメキシコの守備を割ることはできず。残り時間が少なくなるとともに苛立ちが募ったのか、終盤にはミュラーとフンメルスがファウルでイエローカードを受ける場面もあった。
同43分、途中出場のFWユリアン・ブラントのシュートも左ポストを直撃。最後までゴールは遠く、スコアは動かずに試合終了のホイッスルを迎えた。
メキシコがゲームプランを遂行し、1-0で勝利。一方のディフェンディングチャンピオンはまさかの黒星スタートとなった。
(FOOTBALL ZONE編集部)