スペインの“万能DF”がW杯史に残る名勝負で躍動 データが示した貢献度の高さとは?
圧倒的なデュエル数と勝利数
レアルが3-1と勝利した5月26日のUEFAチャンピオンズリーグ決勝リバプール戦では、先発したレアルDFダニエル・カルバハルが前半途中でハムストリングを痛め負傷交代。代わりに右SBに入ったのがナチョだった。そしてスペイン代表でも、カルバハルは最終的にW杯メンバーにこそ選出されたものの、初戦のポルトガル戦は間に合わず。再びナチョが同僚カルバハルに代わって先発出場を果たした。
試合は前半2分にナチョがペナルティーエリア内でロナウドを倒してPKを与える痛恨の出だしとなったが、2-2で迎えた後半13分には左サイドの崩しからのこぼれ球に反応。ボックス外から見事なダイレクトボレーで合わせてゴールネットを揺らし、自ら招いた失点を帳消しにしてみせた。
このスーパーゴールで脚光を浴びたナチョだが、「オプタ」のデータで突出していたのは“デュエル数”だ。最終ラインを形成した各選手の数値を(デュエル数/勝利数)で表すと、バルセロナDFジョルディ・アルバ(3回/1回)、レアルDFセルヒオ・ラモス(4回/4回)、バルセロナDFジェラール・ピケ(8回/3回)なのに対し、ナチョは(18回/11回)と回数、勝利数とも圧倒的な数値を誇っていた。これは両チームを通じても最多であり、対峙することの多かったポルトガルのエースでるロナウド(15回/9回)と激しいマッチアップを繰り広げていたことがよく分かる。