メジャー大会で相次ぐ敗北 なぜイングランドはPK戦に弱いのか
PK敗戦の翌朝、英国男子は厭世観を漂わせる
しかし、いつも相手にすがるように引き分け、何度もPK戦で敗退し続けるイングランドは、いつまでたっても3匹のライオンのエンブレムに逆らうように、雄々しく攻めに徹しようとはしない。
そして延長戦を含め、なりふりかまわず守った結果のPK敗退の翌朝、英国男子は、失望を越えた厭世観まで漂わせ、街を徘徊する。
もしもイングランドがフィジカルなサッカーで雄々しく攻め、らしさを発揮した上で敗退するなら、毎回あのような悲壮感が英国に漂うことはないはずだ。
しかし、こうした母国の代表の体たらくにも関わらず、イングランドのサポーターは、ドイツの3度のW杯制覇に対し、「俺たちも世界大戦で2度勝っているから、1度のワールドカップ制覇でドイツとはおあいこだ」とうそぶく。
もしかしたらこの戦勝国の優越が、負けて全てを失うことに怯える、W杯でのイングランドの姿につながっているのではないだろうか。
一方、2度の世界大戦に敗れたことが、あのドイツのW杯での強さにつながっているというのなら、それはそれで考えものではある。
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森昌利●文 text by Masatoshi Mori
※ワールドカップ期間中、サッカーマガジンゾーンウェブが記事内で扱うシーンやデータの一部はFIFAワールドカップ?公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』で確認できます。
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