阿部、初のリーグタイトルで監督を男に「ひとつ監督に返すことができた」
監督、阿部の両者にとって悲願のリーグタイトル
タイトルを手にして、監督を男にする。浦和MF阿部勇樹はノエビアスタジアムのピッチで使命感を全身から発散させていた。
5連敗中の敵地神戸戦でキャプテンは獅子奮迅のプレーを続けた。中盤の底で神戸の危険なカウンターの芽を鋭いスライディングで何度も摘んだ。後半30分にMF宇賀神が退場となり、数的不利に陥ると一転劣勢となる。
後半39分に神戸FW渡辺にヘディングで同点弾を決められた。さらに41分にはアクシデントが起こる。相手MFチョン・ウヨンとの競り合いで頭を強打。痛みのあまりピッチに昏倒(こんとう)した。ミハイロ・ペトロビッチ監督はすでに交代のカードを3枚切っていた。もうろうとしながらも阿部はその責任感からピッチに立ち続けた。6分間というあまりに長いロスタイムで、神戸の攻撃をはじき返し続けた。
そのまま、試合は1-1のドロー。ファーストステージ優勝の歓喜のホイッスルを聞いた。チームが歓喜の円陣を組む中、頭痛に苦しむ阿部はすぐに参加できなかった。ミハイロ・ペトロビッチ監督にとっても、阿部にとっても初めてのリーグ戦でのタイトルとなった。