努力の天才、いたずら好き… 韓国代表FWソン・フンミン、同僚DFが語る“素顔”とは?
「先輩、後輩もない。おしゃべりで、まさにムードメーカー」
一方で、ひとたびピッチを離れれば、また別の一面が顔を覗かせるという。
「すごくいたずら好きです。彼にとっては先輩、後輩もないと思います(笑)。おしゃべりで、まさにムードメーカーですね」
1992年生まれのソン・フンミンにかかれば、一歳年上で2014年のアジア競技大会、昨年のE-1選手権でキャプテンマークを巻いたチャン・ヒョンスをはじめ、先輩たちは全員いたずらの対象。「目上の方への礼儀、秩序を大事にする」(チャン・ヒョンス)韓国においては少々異彩を放つが、それが周囲に受け入れられるのには理由がある。
「ソン・フンミン選手はサッカーが上手いからといってあぐらをかくことなく、周囲に対しても常に尽くす人間です。先輩たちが怒らないのも、そこ(いたずら)に面白みがあって、気持ちよく接してくれるから。優しさが溢れていて、その唯一無二とも言えるキャラクターが、彼が愛される所以だと思います」
トットナムでの好調なパフォーマンスに対し、韓国代表ではW杯アジア最終予選で7試合連続ノーゴールに終わり、国内メディアから批判の対象にされることもあった。しかし、チャン・ヒョンスは「今までゴールを挙げなかったのは、W杯で点を取るためでしょう(笑)」と意に介さない。それは、世界的名門のマンチェスター・ユナイテッドなどで活躍した韓国の英雄パク・チソン氏を超え、“プレミア史上最高のアジア人選手”の声も上がるエースに全幅の信頼を置いているからだ。
「どちらが上かは比較できません。でも、(パク・チソンらレジェンドたちのレベルにまで)たどり着くと思います。ソン・フンミン選手が韓国サッカー界を盛り上げてくれているし、たくさんの人たちから愛されている。今も十分にやってくれていますが、韓国と言えば『ソン・フンミン』という名前がすぐに挙がるような、僕たちの母国を輝かせてくれる存在になってほしいと思っています」
10年大会以来となるベスト16以上を目指す韓国代表。実力と人間性を兼ね備えたエースが、どのように母国を高みに導くのか目が離せない。
(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)