充実の日本代表FW大久保 ブラジルの地で迎える32歳の誕生日と散々なハプニング

ブラジル初夜に見舞われた災難

 日本代表は6日(日本時間7日)、米国フロリダ州タンパで行われたザンビア戦に4-3で勝利した。そこで、代表復帰後初得点となる値千金の決勝弾を決めた大久保嘉人。あれから約24時間後、人生で初めてのブラジルの初夜で待っていたのは、とんだ災難だった。

「イトゥ(日本代表のベースキャンプ地)の宿舎は奇麗で快適。でも、昨日、実は俺の部屋だけ大洪水になって(笑)。風呂に入って、排水口を開けないといけないのに開かなくて、そのまま入ったらリビングのところまで水がたまっちゃって(笑)。慌てて(柿谷)曜一朗の部屋に行って、もう大変だった」

 散々なハプニングから、ブラジルでの生活がスタートした。その大久保だが、先月末に鹿児島・指宿から始まった長い合宿生活にもストレスを見せることなく、自然体を貫いている。

「いまはまだリラックスして、こみ上げるものもないし。まだ試合まで何日かあるから。いつもテンションが上がるのは、試合のピッチに入場するとき(笑)。そこまではこのまま変わらないね」

 最後の最後に滑り込んだ立場ながら、その豊富な経験や実績に加え、昨年来の活躍に裏打ちされた自信も携える。それだけに、いまの代表選手の中で最も自分らしさを貫いていると言え、それが周囲に好影響を与えているのだろう。

 その頼もしさは、ザンビア戦の終了間際に見せたあのシュートでも証明された。後方からの難しいパスを柔らかいトラップで止めると、周囲を屈強なDFに囲まれながらも動じることなく左足を一振り。ゴールネットを揺らした。さらに、歓喜の声を上げる大久保にベンチで座る選手たちも加わって輪が出来上がった。その光景こそ、プレーだけでなく、チームに大きなモノを与えている証明なのかもしれない。

 ブラジルでの初練習となった8日(日本時間9日)も、ミニゲームではトップ下の位置で縦パスを積極的に受け、巧みなボールキープからチャンスメークと出色のプレーを披露していた。ピッチ内外で、いまの大久保は常に落ち着き払っている。

 

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