イングランドはなぜ王者になれない? W杯優勝監督が指摘する課題「他の国に比べて…」
スペインを世界一に導いたデルボスケ監督が戦術面の問題に言及
ロシア・ワールドカップ(W杯)に出場するイングランド代表は、現地時間2日にナイジェリア戦との親善試合に2-1で勝利し、本大会に向けて上々の仕上がりを見せている。だが、かつてスペインを世界王者に導いたビセンテ・デルボスケ元監督は、「Omnisport」のインタビューでスリー・ライオンズの52年ぶりの優勝に異議を唱えている。
“無敵艦隊”の黄金期を支えたデルボスケ氏は、2010年の南アフリカ大会でスペインにW杯初優勝をもたらすと、続く12年の欧州選手権では大会2連覇に導いた。ただし、それ以前のスペインは優勝候補に挙げられながらも毎回W杯4強の壁に阻まれ、悲願達成を逃してきた過去がある。
一方のイングランドも、これまで大会屈指のタレント力を持ちながら、優勝には程遠く期待外れに終わってきた。かつてのスペインと似た境遇だが、名将にはW杯王者を経験した母国スペインとの間には大きな隔たりがあるように映ったようだ。
「イングランドは選手たちがユニフォームに情熱を抱いている国だ。代表チームでプレーするのは非常に強く感情に訴えることだと思う。だが、彼らは何も成し遂げていない。選手に力がないわけではない。良い選手たちが揃っている。他の国と比べて戦術面で進歩していないのかもしれない」
デルボスケ氏は、イングランドをそう分析した一方で、「スペインはいつも素晴らしい選手を輩出してきたが、今はチームとして本当に良い戦いができている。それが他国と比べてスペインの大事な部分だ」と、スペインとの違いを語った。
どんなに多士済々を揃えても、4年を懸けて磨き上げたチーム戦術がなければ、W杯という大舞台は勝ち抜けない。その大きな壁を乗り越えなければ、イングランドでさえも悲願達成は遠い夢物語なのかもしれない。世界に19人しかいない歴代優勝監督の言葉はやはり重い。
(FOOTBALL ZONE編集部)